【独り言】僕の48年のあらすじvol.17

【独り言】僕の48年のあらすじvol.17


2004年春、丹波篠山の生活が始まりました。まずは家の改装と畑。

春に引っ越しましたので、畑を始めるにはちょうど良い季節。ハバネロの苗たちを広い大地へ植えましょう。友達からもらった1つのハバネロ(vol.8参照)を48株まで増やしたのです。

わたくし、きちんとした形で畑をするのは初めてですし、図書館はもちろんのこと、ネット上(英語、スペイン語圏含む)にもハバネロの栽培についての文書はありませんでした。そこで、まあ、ピーマンと同じように事を進めることにいたしました。

で、僕らが出た後の石垣島のジャングルはですね、「リゾート物件情報」に掲載した途端に売れ、71万円で購入した土地は300万円になったのでございます!
わーーーい!

そもそも5千円で始めたカレー屋台が土地に変わり、こうして目の前に300万円です…

う~ん。これはもしかすると、そういうことか。選ばれし者だなんだな、僕。
ということで、宝くじを90万円分(3000枚)買うことにしたのでございます。

まあ、当たると決まっていますのでどこで買っても同じでしょうが、一応きちんと行きましたよ銀座まで。西銀座チャンスセンター。「3000枚ください」と言い、現金の束を出した途端、ピピッ~~と警備員2名が現れ、僕の後ろに並んでいた行列は後方にずらされディスタンス。販売員のおばちゃん数名が手分けして3000枚を数えます。

数分後、紙袋に入れられた宝くじの束。
これで僕も億万長者。心豊かに自由に暮らすのです。それでこそ我が人生でございます。キラッキラッ。

で~その数週間後な。チッ(舌打ち)!

僕の人生、もう働かなくて良いものだと思っていましたから、それはそれは本気のショックでございました。その日はハズレ宝くじで沸かしましたよ、お風呂(薪風呂)。

複雑な、やさぐれた気分で、しかしふやけるまで浸かっていたと記憶しております…

えーさて。
お金ね。潤沢に使えたら良いですよね。
しかし僕は今こう考えています。

あの30歳の時に宝くじが当たっていたら、数年後にはお金も使い果たし、ハバネロマンにもなっておらず、僕は嫌な人間になっていたかもしれません。

ハズレたおかげで僕は人として成長することができたと思います。汗を垂らして農作業をし、薪を割り、メローハバネロを作り出し、必死に働いてきました。

でも今なら大丈夫。
神様、もう当てて大丈夫。
大丈夫ですよ~~~~!!!!!!!!

近藤 "ハバネロマン" 卓

1973年東京生まれ。 ターンムファーム合同会社代表。
『ハバネロ』を溺愛し、2005年より『Mellow Habanero』を製造販売。

Instagram @mellowhabanero
web site https://mellowhabanero.shop/
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