第百十九話 優越感。

第百十九話 優越感。


12月になってしまった。
今年もわずか1ヶ月で終わってしまう。

さて今回は、ふと感じた『優越感。』について綴ろうと思う。
それではどうぞ。



「努力の結晶。」

一言で『優越感。』といっても、それはそれは人それぞれ違うもの。
類義語を調べてみると、自信自慢自尊心自分への誇り名誉などと書いてある。「なるほど~」と勝手に納得してみる。

SNSなどで自分の生活がいかに充実しているかをアピールする<リア充>行動。これもある種『優越感。』。もはや死語と化し、しばらく耳にしていない。本当なのか偽りなのかはわからない一方通行な二次元の世界。

ハードな筋トレをしている人の特徴としてタンクトップを着ているケースが多く見られる。バキバキに鍛え上げられた上腕二頭筋や肩の三角筋などからは、鎧をまとっているかの如く”力(パワー)”を感じることができる。

成功している実業家の皆さんが超高級外車をこぞって乗り回している。街で見かけるスーパーカーには、シュッとした青年がモデルのような女性を助手席に乗せている。冬の寒い中屋根のない車も走っているし、耳に刺さるほどの爆音なのに30kmの速度で走る光景もよく目にする。

酔っ払った団体から聞こえてくるのはどこかの大学の校歌。知らない人でも聞いたことがあるということは、頭のいい有名大学の人たちの集いなのだろうと察することができる。一流大学卒業という誇りはいつまでも消えることはない。

かなり偏った書き方をしたのだが、人によってはくだらないとか見栄っ張りなだけと感じる方もいるだろう。いま一度考えていただきたいのだが、これらすべては”努力の結晶”だからなのではないかということ。勉強であれ、仕事であれ、自分磨きであれ、一生懸命努力してがんばったからこそ得ることのできた結果。アピールするということは決して悪いことではなく、人としてごくごく自然な行動。承認欲求を満たすための振る舞いであって、人は本能的に高みを目指し無意識にこういうところを求めるのではないだろうか。そこに受けて側の羨みや妬みなどのフィルターがかけられ、結局は”自慢”とか”マウント取り”という言葉にたどり着くのが、なんともおもしろい人間交差点。

年齢や性格、経験などでも変化してくる『優越感。』。家庭菜園や蕎麦打ち、パン作り、釣りなど、年齢を重ねた方々が惹きつけられる数あるモノゴト。一時の外に向けられる『優越感。』に対し、自己満足にも似た内面に生まれる『優越感。』。没頭できることにハマる幸せもしかり、人に喜んでもらえることが自分の満足に繋がるというのもわかるようになってきた。

ボクの『優越感。』は、いったい何処にあるのだか



「まとめ。」

普段生活をしていると、いろんな人の『優越感。』を目にすることができる。
いい気分のものから鼻につくものまで、それこそ千差万別キリがない。

大事なのは、自分にとってどうなのか。いいなと思うことは拾えばいいし、嫌な気分にさせられるものは見なかったことにする。結局は人は人だし似た者同士が集まってくるもので、自分にとっての『優越感。』がなんなのかを見つけられたもの勝ち。それが関わる人の気分を害さないものだとさらに良い。いろんなものが削ぎ落とされて『最後に残ったのはコレでした!』と言えるように、楽しみのひとつとして残しておきましょ。

物質的なもので満足できないのはもうわかっているし、はたして満たされる場所って本当にあるのだろうか。
それではまた来週!

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
この記事、如何かしら?
  • キュン (6)
  • WOW (5)
  • NEW (4)