第十七話 お菓子と駄菓子

第十七話 お菓子と駄菓子


昭和50年男』という雑誌を知っているだろうか。
隔月発売の雑誌で、毎号ひとつの特集を深掘りしていくカルチャー誌。今月のタイトル<オレたちに元気をくれたお菓子>を読んでいろいろと考えさせられた。昭和40年代生まれのボクだが、雑誌を通じて懐かしさもさることながら、いまの子供たちはどうお菓子と接しているのだろうと疑問符がアタマに浮かぶ。

今回は『お菓子と駄菓子』について綴ってみることにする。かなり飛躍するのでついてきてくだされ。



「両者の違いは?」

『お菓子と駄菓子』何がどう違うのか。
調べたところによると『お菓子』は全体を指す言葉。まあ総称ということだろう。対して『駄菓子』は、主に子供向けに製造販売された安価な菓子のことだとか。つまりは、母親がスーパとかで買って家に置いてあるのが『お菓子』で、子供同士が駄菓子屋さんで食べてたのが『駄菓子』と勝手に理解したことにする。

幼少の頃のボクにとっての『お菓子』は、高級だし量が多いからなかなか自分で買うことはなかった。『駄菓子』ですら一個50円のを買うんだったら、10~20円のものをいくつか買っていろんな味を食べたかった。

さすがにいまは、量より質になってきた今宵48歳。



「なつかし菓子。」

『昭和50年男』雑誌を見て思い出したなつかしいお菓子を、掲載されているもの中心に抜粋してみた。『お菓子』も『駄菓子』もごちゃ混ぜに、定番モノはあえて控えめに。

<チョコレート>
セコイヤチョコレート(フルタ製菓)
ウエハースに木目調のチョコがコーティングされた半円柱のやつ。いちご味もあるといったらわかるかな?

ドーナッチョ(森永製菓)
とんねるずがCMしていたドーナッツ型チョコフレーク。予算300円もあったので遠足に持っていた。

ツインクル(明治製菓)
中にコロコロ、ラムネやコンペイ糖が入ったたまご型のチョコ。

霧の浮舟(ロッテ)
なんてシブいネーミング。エアーチョコの走りでとろける食感にハマった。

チョコケーキ(ユーラク)
円盤型のチョコケーキ。昔は駄菓子屋でダンボールの箱にそのまま入っていた気がするのだが。。。パサパサ感がたまらない。


<スナック>
鈴木くん/佐藤くん(エスビー食品)
全国の小学生に衝撃を与えたネーミング勝ちのスナック菓子。田中くん、山本さんも忘れずに!

ラーメン屋さん/焼きそば屋さん 太郎シリーズ(やおきん)
圧倒的な安価、当時10円は小学生の味方。味が濃くて硬めの麺が旨い。

SPIN スピン(森永製菓)
タイヤのホイルみたいな形のスナック。


<キャンディ・キャラメル・ラムネ>
ジュエルリング(ロッテ) 
指輪型キャンディは、つければ誰もがおしゃまさん。

コーラアップ(明治製菓)※パッケージは最新 
ある意味グミの走り。瓶のカタチをしたケースから外すのがまた楽しい。

さくらんぼの詩/野いちごの小道/クリームソーダ(UHA味覚糖)
さくらんぼにヨーグルト。いちごの酸味。シュワッとした発泡キャンディ。ファンシーなイラストが印象的。

ペロジュー(春日井製菓)
キャンディに、袋の中の粉をつけながら繰り返し舐めるアレ!覚えてるかな~

ソフトエクレア(不二家)※パッケージは最新
中にクリームが入った当時では珍しいソフトキャンディ。もう食感!


<ガム>
バブリシャス(モンデリーズ・ジャパン)
圧倒的に風船が膨らむガム。初めてのアメリカンな味。

クイッククエンチ(ロッテ)※パッケージは最新
スポーツ選手のシルエットに、グリーンとイエローパッケージが爽やかさを演出。<COFFEEガム><JUICY&FRESHガム>もいいよね!

イブ(ロッテ) 
ゴールドと赤のパッケージが高級感を感じさせる、花の香りのするガム。大好きだった。

ポケガム(リリー)
駄菓子屋にしかない、あの四角い箱に入ったボタンを押すと出てくる当たり付きのやつ。


<クッキー・ビスケット>

クリームコロン(江崎グリコ)※パッケージは最新
その名の通りコロン(円柱)のワッフルの中にクリームが入った可愛いやつ!当時のパッケージを見せたかった。。。

オールレーズン(東ハト)
いまだスーパーで見つけると買ってしまう。これのおかげでレーズンが好きになった。

マザービスケット(ロッテ)
牛乳と一緒に食べると究極の旨さ。まさに神!



「どうなってんの?」

幼少の頃は、学校が終わったらランドセルを置いて駄菓子屋に集合というのが毎日のルーティーンだった。友達7~8人とまずは駄菓子で腹ごしらえ。ちょっと贅沢するときは、もんじゃを焼ける駄菓子屋に足を運ぶ。その後は公園で、野球やサッカー、ドロケーなどしてひと通り遊ぶ。日も暮れかかると、小学生ながらの悩みとかをお互い話しながら家路に着く。よく考えたら、社会人になっても似たようなことしているのが笑える。だって駄菓子が酒に代わっただけでなんら変わらない行動。大人になってもそんなものなのかもしれない。

さて、いまの子たちのコミュニケーションってどうなっているのだろうか。
そんなあちこち駄菓子屋があるとは思えないし、公園だってボール遊び禁止がほとんど。ゲームで通信しているからといって一緒にいながら騒いでいるわけでもないし、LINEであれこれやったとしても強い仲間意識って芽生えるものなのか。習い事やら受験やらで忙しいスーパー小学生なんかになると、きっと分刻みのスケジュールなのだろう。学校だけでそこまで深くなるものなのだろうか。

もしくは、そこまでの親密な関係って必要とされてないのか。仲良くなればなるだけ楽しいことも増えるけど、喧嘩も増えるのが一般的。そうやって人との関係づくりに慣れていく第一歩が小学生の学生生活だったと後になって思うこと。

いまの子たちの遊び場ってどこなのさー、誰か教えて!



「まとめ。」

昔がイイとか今がダメだとか、そういうつもりは全くない。むしろ、おもしろくなってきたなと感心しているぐらいだ。

時代時代に合った環境が作り出すコミュニケーションっていうものがある。マッチングアプリとかで、お互いが求めれば出会えてしまうとても便利な世の中。だからこそ難しかったり、気をつけることがあったり、上手な人との繋がり方みたいな新しい距離感の人間関係が生まれているのだろう。

ヒトが苦手なボクは単純に羨ましいと思ってしまう。それぐらいの気持ちでいられたらどんなに楽だったことだろう。

ボクら世代の悪いところや面倒なところを感じ取って、次世代が新しい価値観を作っていく。いつの時代もそうやって進化を繰り返してきたのだから、いまの変化はとても喜ばしいことだと純粋に思う。本当に大事なコトって普遍だって信じているから心配などしていない。ただ海外に感化されず、日本独自の進化を遂げてくれたらいいなと願ってる。

駄菓子を通じて、こんなところまで来てしまった。道草しすぎー


ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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