第百六十三話 インタビュー
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週お題は、スポーツにはつきもののアレ。
それではどうぞ。
「チャンス?」
いよいよ始まるメジャーリーグポストシーズン。
大谷翔平率いるドジャースは、ワールドシリーズ制覇まで辿り着けるのか。スポーツに限らず映画でも音楽でもアートでも、没頭する先は人それぞれ。なんであれ、心を動かされることはあればあるだけ人を豊かにするってなもんだ。
テレビやネットであらゆるスポーツを鑑賞する。試合後のインタビューまでがワンセット。どんな意図があってのプレーかの説明から素直な感想まで、ファンは本音を聞きたいと願うもの。ただ毎度のことながら、似たり寄ったりセリフのような返答にいつもガッカリさせられる。それもそのはず、プロになると協会が新人研修たるものを行い、あれはダメこれはダメ、炎上しない無難な受け答えを植え付けられる。なんなんすか、この教科書大好きマニュアル主義は。政治家などは最たるもの。かつてフリーターから当選を果たした杉村太蔵へのインタビューでは、「BMWに乗りたい!」「料亭に行きたい!」「グリーン車がタダですよ!」と本気で言っているんだか注目を集めるためなのか、どちらにせよ世間を大いに騒がせた。自民党幹部からはこっ酷く怒られたそうだが、個人的になにが問題なのかまったく理解ができない。一般市民の代弁者として広く親しまれたのだから、結果成功なのではなかろうか。
話を戻し、インタビューから人となりを知り知名度を上げた選手はたくさんいる。本田圭佑はビックマウスなどと叩かれてもお構いなし。いつも彼が発するコメントはネットニュースを盛り上げた。現日ハム監督の新庄剛志はプレーもさることながらパフォーマンスでも楽しませてくれた。元日ハムの杉谷拳士やメジャーにもいった川崎宗則などは、陽気なキャラで多くのファンに愛された選手。マイクを向けたら何かしてくれるのではないかと期待される選手は数少ない。
叩かれたっていいじゃない。
炎上したっていいじゃない。
選手のコメント次第でファンは酒場で盛り上がれる。これぞスポーツの醍醐味であり、影響力のあるプロのスポーツ選手だからこそできること。
プロスポーツ選手のみなさん、いまがチャンスですぞ!
「まとめ。」
マスコミ嫌いのスポーツ選手はたくさんいる。
批判的な質問や報道ばかりされたら、そりゃ不信感を募らすことでしょう。前後の文脈を無視して、話題になりそうな言葉だけを拾っておもしろおかしく書き綴られる。SNSの普及でしやすくなったものの、いちいち反論するのもバカらしい。
ただベテランになると自分の言葉で、ニクい言葉や刺さるコメントを残したりする。
野村監督や落合博満らのどう扱われるかわかってないと出てこない注目されるフレーズに、いちファンとしてどれだけ楽しませてもらぅたことか。歳を重ねなければできない芸当、なかなかできるもんじゃない。
あっぱれ、グッドオールドボーイ!
それではまた来週!