第百十三話 ハロウィーン

第百十三話 ハロウィーン


10月の風物詩といえば、紅葉、インフルエンザ、衣替え。
いやいや、世を賑わすのは断然<ハロウィーン>ではないだろうか。

今回はこの<ハロウィーン>にまつわる話をしたい。
それではどうぞ。



「どちらへ?」

渋谷の街は、仮装した人たちで埋め尽くされる。
毎年ニュースで大々的に取り沙汰され、酔っ払い、路上飲酒喫煙、痴漢、ゴミ問題、車をひっくり返したなんてこともあったりと、ネガティブな印象が強い<ハロウィーン>。そこに気難しそうな顔をしたコメンテーターが、若者を揶揄するという構図。どの時代も若者たちは注目を浴び、なにかあると批難され批評を受ける。

そもそも<ハロウィーン>は秋の収穫を祝い、先祖の霊を迎えるとともに悪霊を追い払うお祭り。かぼちゃの『ジャック・オー・ランタン』、仮装にまつわる『トリック・オア・トリート』などこの祭りにまつわる意味のある習わしが、日本では現在の姿にカタチを変えた。海外の反応をみると、それはそれは大絶賛。わざわざこの時期に合わせて訪れる外国人観光客はものすごい数となり、いまや渋谷の<ハロウィーン>はれっきとした一大観光イベントにまで発展を遂げたのだ。

さて、良くも悪くも両側面を持つ渋谷の<ハロウィーン>。お店や勤務地、近隣の人たちからしたら、きっと迷惑なことだろう。想像してほしい。何万人という仮装した人たちが毎年この時期、あなたの自宅の前で夜中までわいわいしていたらどうだろう。。。最悪だ、絶対嫌だ。<ハロウィーン>に集まるのは地方の人たちしかいないなんて噂も広まり、ちょっと飽きが出てきているご様子。とても悩ましいけど、個人的にはどうしても100%否定することができないのだ。

直接関われば『迷惑だ!』になってしまうかもしれないけど、いまいちど考えていただきたい。日本人は個性がないやら自主性がないなどとずっと言われ続けてきた。ラテン系の人たちみたいな陽気さもないし、国民性が大いに関係しているのだろう。だがしかし、予想だにもせず偶発的に渋谷に仮装した人が集まり膨らみ、現在の<ハロウィーン>まで発展するなんて誰が想像したことだろう。こんな数多くの陽気な日本人をかつてみた記憶がない。社交的オープンマインドになりつつある若者たちを抑え込むということはどうなのだろう。

悪いことばかりを突いたらすべてが悪いものになる。準備された場所だけが許される環境より、多少のおイタは自己責任、こんな騒いで楽しむ発散場所がせめてひとつぐらいあってはだめかしら。嫌なら行かなければいいだけだし、そこは個々を信じたい。すべてがクリーンで揉め事一切ない世の中より、よっぽど健康的で真っ当に思えて仕方がない。まあすべては責任の所在に繋がってくる大人の話。親としても心配ではあるが。。。

日本でいう”お盆”と”節分”が一緒になったようなお祭り<ハロウィーン>。
いつか世界のどこかの街で、鬼に仮装した人たちが豆に代わってなんかを投げ合うイベント、やっててくれないかなー。



「まとめ。」

渋谷近辺に住んでる人は、この日は一切近寄らない。
興味本位で行ったことはあるが、人は溢れていたけど報道されているほど無法地帯ではなかった。
一度参加すればもう満足。ほとんどの人はこれっきり。毎年参加を楽しみにしている人はごく稀で、あくまで経験のひとつとなっているような気がする。

目立ちたければ目立てばいい!
楽しみたければ、バカになればいい!

そう思えるのは、歳なり時期なり性格なり、貴方だけの特権なのですから。
人生一度きり。謳歌したもの勝ちでございます。

それではまた来週!

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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