第百十二話 さつまいも

第百十二話 さつまいも


いよいよ、大好きな秋がやってきた。
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。

今回は、秋の”さつまいも”の話をしたい。
それではどうぞ。



「どちらへ?」

秋といったら、秋刀魚、なす、キノコ、それと忘れてはいけないのが”さつまいも”。
幼稚園のイモ掘りでは夢中になって掘った記憶。落ち葉を集めて焚き火をしながら焼くさつまいも。夕方になると聞こえてくる焼き芋やさんの売り声『い~しや~きいも、おいも~♪』どれも懐かしい情景。

そんな”さつまいも”に物申したい!
『いったい、ホクホクした貴方はどこへ行ってしまったんだい?』
濃厚な甘みの安納芋が流行り、紅はるかシルクスイートなど、焼き芋やさんに並ぶのはこれらねっとりとしたお芋ばかり。昔ながらのホクホクしたあのお芋たちはどこへ行っても見当たらない。栗のように香ばしく品のある甘みのホクホク鳴門金時なんて、久しくお目にかかってない。よく考えたら、世の中で流行っているものは需要が高いから、農家さんとしても人気にある品種をつくるのが道理っていうもの。わかっちゃいるけど、ここまでくるとさすがに悲しくなってくる。

いちごもリンゴもみかんもそう。甘さだけを追求したモノも美味しいのだけれど、どうしても香りや食感、特に酸味などが失われてしまう。これらすべてが合わさっての味わい深さだったり、香しさだったりするのではなかろうか。特に果物は糖度を追い求める傾向にあるが、ただ甘けりゃいいわけではないと思うのだ。

ここまで言い切ったくせに、甘さを求めて作られたもので納得の食材を思い出した。”トマト”はいかがだろう。生のトマトが食べれない人、まあまあいるような気がする。きっとあの青臭いところが苦手というのもわからなくもない。ただトマトの品種改良や栽培方法(節水栽培)により、果物以上に甘いものがたくさん出てきた。アイコプチぷよOSMICトマトなど、フルーツトマトはもはや果物。糖度至上主義の中でも、甘くしてくれてよかったなと思い浮かんだのは”トマト”。

話しが散漫してしまったが、いきなり訪れたマイブーム”さつまいも”。
なんだかんだ綴ったが、ねっとりもホクホクも、さつまいもはさつまいも。
今年の秋は、いろんなさつまいもを家で焼いて食べようと思う。



「まとめ。」

ボクは昔から<流行り>がちょっと苦手。
追っかけたら追っかけたで恥ずかしいし、無視するほど傲慢なこともない。流行りに浮き足立っているあの感じがどうしてもしっくりこないのだ。タピオカミルクティーもあれだけ世を席巻したのに、もう話題に上がることはほぼほぼない。結構好きだったのになと嘆きに変わってしまうのもなんだか切ない。

流行りは商売に繋がるし、恩恵を受ける方々も多くいらっしゃると思う。その反面、どこまで追い続けてどこで終わるか、見極めもしなければならない諸刃の剣。トレンドのサイクルがものすごく早い日本だけに、一喜一憂してホクホクさつまいものようにならないでいてほしいものだ。

流行りによって大事なものが無くなりませんように。
それではまた来週!

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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