【独り言】僕の48年のあらすじvol.16
時は2004年。わたくし30歳、春のお話でございます。車(1987式日産サファリ)に荷物ぎっしりとハバネロの苗を積んでフェリーで引越し。石垣島を出て3年ぶりに戻ってきました本州でございます。
兵庫県の内陸部、丹波篠山。
京都、大阪、神戸、各都市まで車で1時間弱のエリア。初めて暮らす関西圏、僕は兵庫県に入るのも初めてでございます。
引越し先は元妻の祖父母が暮らしていた家。畑、竹林、山一区画付きの典型的な里山の古民家。
築100年の母屋、離れ、蔵、中庭のある立派な構え。でも、空き家になってしばらく経ち手入れが全然されていない。遺品もそのまま。親戚中見回してもこんな古い家で暮らせるのは僕らだけ。
隙間風入るし、畳もグニャグニャしてるよぉ〜。しかし、ジャングル暮らしと比べたら、ぜ〜んぜん!「お〜すご〜〜〜い!押すだけで電気つく〜!」1度ゼロを味わましたので、スイッチひとつに感激。すごく、とっても、便利。文明再認識でございます。
テレビ要らない、チン要らない、洗濯機はすごく便利、冷蔵庫は要るかな〜?
本当に必要な最小限の電気機器のみの、ハイブリット自然派暮らしスタート。
まずは、村の寄り合い(月1度の集会。公民館で行う)に駆り出され、村民たちに挨拶。何を喋ったか忘れましたが、返ってきた長老たちのお言葉が分かんない、聞き取れない…でも、なんだか迎え入れられた様子。ゆる〜い南の島から来た僕の第一印象は、「なんとまあ没個性的な黒豆に頼った土地だ」でした。当時は、「またすぐ引越しするし」くらいに思っていたのでございますが…
えーさて。
僕は毎週末、ガールフレンドと大切な食事タイムを持ちます。週の前半から相談し始め、店を決め、予約。2人の欲する味覚の交差点を探り、週末まで盛り上げて行くのです。こんなに期待していざ週末、絶対失敗はしたくありません。とにかく、美味しく美しいお料理を味わいながら呑みたいのでございます。
☆の数やレビューに惑わされながらも、本物の名店を見つけるのも趣味のうち。高級店から庶民派店まで、金額に左右されずに行きたいお店に行き、お気に入りのお店を開拓するのです。和食、イタリアン、フレンチ、おでん、焼き鳥…
例えば銘酒が揃った和食。
僕はですね、自分酔わせ上手と言いますか、ペースが早い。2、3杯にしておこうと望んでいましても、いけません。
まず、カウンターに肴をずらずら並べるのが好きでございますので、初回の注文は本日のおすすめから3品、定番から4品ほど選ぶ。「お品書き」が、もう、大好きでなのでございます。当たり前でございますが、注文したら出てくる。
綺麗に盛られていて、美味しい。ここでもう、おかわり。「後はこれとこれとこれを頼もうね、そうなると酒は雄町の…」
はい、お気づきですね、3杯では止まりません。週末だけの大切な趣味でございますから。