【サンシャケ#15】 ヴィンテージの話
今回はちょっと真面目に。
昔のデザインって惹かれます。車もバイクもそれこそ釣り道具も。
もちろん好みの世界ですが、ヴィンテージ モノに気になるデザインが多い僕。実際に古きよきデザインはカッコよいのか、それとも古いものがよく見える心理があるのか。価値は歴史の分だけあがっていくのが当然だけど、見た目がカッコいいと思えるのはなぜだろう。
機能がめちゃくちゃアップデートしている現代、この機能をもってあの時のデザイン(ルックス)にできないのかーとよく考えてしまいます。
ヴィンテージというには、全然はやいけど、身近なとこでいえばiphoneもそう。今の全画面デザインより、iphone 4や5くらいの「角を感じる」こじんまりした雰囲気の方が好きです。写真、動画の美しさや個人認証の方法、容量やバッテリー持ち、最近のスマホは使いやすさを追求して成長していきます。でもどれもオプション的なステップアップ。機能、デザインでいえばあの頃すでにスマホは完成していた、と言っても怒られない気がします。
さて本題。
なぜ古いデザインに惹かれるのかの考察。時代を感じるから、魅力が出てくるのか。それぞれの時代には「らしさ」があります。経済的な理由とか、政治的な理由とか、技術的な問題とか、当時のトレンドとか。その時代特有の味みたいなものがスパイスになっています。だから惹かれる説。
もしくは、伸びしろがあるから余白ができて、それがいい遊びになっているという説。解明されてないこととか、今ではムダなこととか。機能の追求よりも遊び心の追求がカッコいいからか。謎は深まるばかりです。
ルアーフィッシングの世界でも当然ヴィンテージはあります。今となれば『ルアー=擬似餌』という解釈が一般的で、動きも見た目もどんどんホンモノの餌(小魚とか)に似せていく傾向。
僕の好きなアメリカのヴィンテージルアーはほとんどが、まるで小魚には見えないようなルックスです。きっと「こんなカタチなのに魚って食うんだぜ!スゲーだろ!」という『ルアー=おもちゃ』の考えがあったからだと思います。機能よりスタイルの提案ってことです。
現代のエサにそっくりなルアーは本当によくできているし、ユーザーのニーズに応えて魚を連れてきます。確かな技術面のアップデート。これはこれで本当に素晴らしいことだし、大変な企業努力です。そういう意味では僕がいる「ima」は両立しているかもという手前味噌な話。
来年で25年を迎える「ima」ですが、そのルアーのどれもが、ブランド立ち上げから変わらないおもちゃ感の強いデザイン。ソリッドでかわいくて、エサには見えないルックス。だけど技術はどんどんブラッシュアップされていきます。
今年の秋には24年前にシーンを席巻し、今も第一線で活躍する代表的なルアーがモデルチェンジします。見た目は継承、中身は最新。結局ヴィンテージに惹かれる理由ははっきりしないけど、僕はおもちゃ屋らしくスタイルの提案も大事にした魅力的なデザインを追求するブランドであり続けなきゃ、そう思うこの頃です。