
第百九十四話 コエテル
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週は、見切り発車で綴っていこう。
それではどうぞ。
「見えない距離。」
『肥えてる』
ポジティブともネガティブとも捉えられる言葉。真っ先に頭に浮かんだのが、魔神ブーと安西先生。次点でカビゴンとトトロぐらいで、『肥えてる』愛されキャラって意外と少ないことに気づく。目が肥える、口が肥える、耳、鼻、腹と、カラダの部位がつくことが多いのも不思議なところ。
目や口が肥えた人とそうではない人との間には、見えない距離が存在する。例えば、クラシックや絵画など、ただ聴いたり観たりしているだけではわからない知識の先にある楽しみ方がある気がする。落語や歌舞伎などの寄席にしても然り、立川談志師匠が冗談なのか嫌味なのか「今日の客は目が肥えてねーからな~」とよく言っていたのもこの距離のことではないだろうか。とにかく、見ている視点がまったく違うのだ。
身近な話だと、ラーメンの口に肥えた人。本サイトの副主宰もそのひとりで、いろんな人にどこのラーメン屋が旨いか聞かれて返答に困っている姿をよく目にする。ラーメンなんて食べて旨けりゃそれでいいと言う基本軸を持ちながらも、口の肥えた彼はその先にある完成度やバランス、驚き、味の変化、その店の特性など数ある項目を本人なりに探っているのだ。ここまでくると専門家であって、行き着いた人だけが楽しめるゾーン。旨いか不味いか、好きか嫌いかをとうに越えた未知の世界。
ラーメンに限らず、すべてにこの世界は存在する
ワタクシももっと楽しめるようになりたいとは思っているのだが、そうなれているのかいまいのか
精進いたしやす
「まとめ。」
俗にいうオタク、マニア、フリーク
アイドル、電車、アニメにラーメン、、、好きの先がなんなのかは関係なく、昔からそう呼ばれる人に憧れがあり、その人の話しを聞くのがとにかくおもしろい
没頭する過程で苦しくなったり辛くなったりするのかもしれないけど、そこまで好きなものを持っている人は間違いなく豊かで濃い人生を送れているはず
花、キノコ、パン、映画、競馬、麻雀、ゲーム、なんだっていい
そこまで大層なものでなくても、なにかひとつに没頭できるものがあるだけで十分
ハマれるものって、なかなか見つからないですからねー
それではまた来週!
