
第百九十二話 タバコはふたつ
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週は、日常で起こった対比の話。
それではどうぞ。
「タバコはふたつ?」
よく行くコンビニがある。
最近は店員さんも外国の方がとても多い。ネイティブじゃない言葉でいろんな人と接することができるなんて、日本で働いていることだけでも尊敬でしかない。海外で根を這って、言葉の壁を越えて地元の人たちとうまくやれる自信をボクは持っていない。
そのコンビニはいつも忙しい。その分店員さんたちの数も多く国際色にあふれている。その中のひとり、愛想はそんなに良くはない。ただ側から見ても動きはきびきび仕事ができるタイプとお見受けできる。そんな彼女に会計をしてもらったとき、「タバコはふたつ?」と迷うことなくボクのものを持ってきた。並んでいるのに手になにも持っていない、コーヒーかタバコか、相手を瞬時に見破る洞察力。銘柄もさることながら2個買う人だと覚えてくれていたことにも驚きだ。とりわけ会話をしたり、コミュニケーションをとった記憶もない。
ある日、1杯だけ飲もうということになり友人と3人で浅草のホッピー街へ。相変わらずの観光客でどこも満員、諦めていたところ路地にはなぜか一軒だけ空いているお店。外の席を確保し、ボクはホッピー黒、他はハイボールにおつまみを人数分頼み、気持ちのいい昼下がりを過ごしていた。すると、ふたりのお客さんが「ココ座っていい~?」と席に着こうとした瞬間、3人以上じゃないと外の席は座れないと告げられる。怪訝な顔して去っていく。その後、さらにふたりのお客さんがやって来て「あとからひとりくるからココいいですか?」と店主さんに聞く。「待ち合わせはやっていない」と断られ、また去っていく。おやおや、なんだか雲行きが怪しい。
今度はマイターン。「ホッピーの中(酒)持ってきましょうか?」と聞かれたものの、まだ半分も残っていたので断った。その2分後、また聞いてきたので「おかわりするときはときは頼みますので!」と伝えると、「こっちもお店なので!」と嫌味ったらしい答えが返ってきた。そんな長居をしたわけでもなく、せいぜい20~30分がいいところ。あからさまに機嫌を損ねた店主のおば様は勝手に「会計~!」と叫んでいた。
ちなみに席はガラガラなんだから、そんなに商売したいならさっきの5人を座らせればいいのにー
ほか唯一のお客さんは、なぜかふたりで飲んでいた
「まとめ。」
コンビニのスーパー店員さんは、買い物しただけで気分を良くしてくれる
こだわりの強い浅草の店主さんは、後味の悪さだけを残してくれる
以上です!
自分の店だからご自由にしてもイイとは思うんですがねー
それではまた来週!
