第百四十九話 ヒトがいない。
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週は、ちょっとまじめな妄想の世界にお付き合いいただきたい。
それではどうぞ。
「アリエル。」
ChatGPTをはじめ、AIの技術が革新的な発展を遂げている昨今。
当初は、学生がChatGPTで作った論文をそのまま提出しているということが取り沙汰されていた。こんな便利なものがあったら、学生に限らず使わない手はないだろう。いまではイメージする画像や動画、音楽まで、AIがある程度は作ってくれる。将棋などでは、当初AIとの対戦では勝ったり負けたりであったものの、近年勝てないどころか全プロ棋士がAIの出す答えを研究するにまで至り、ジャンルを問わずあらゆる分野で欠かせない存在。
どこまでいくのだろう。
いまはまだAIの可能性を模索している発展途上の真っ只中。
完璧な好みの料理が出てくる店員のいないレストランなども必ずいつかは登場するだろう。病気なんかも、スキャンしたら悪いところがすべて治ってしまう時代もいつかたどり着けそうな気がする。AIは、ヒトの希望を叶えてくれる。。。はずだった。
2029年には人間の知性に追いつき、2045年には全人類の知性よりもAIの能力が上回ると予測されている。実際はもっと早まるはずだ。
現世の人類が生きているかどうかわからない未来、必ずヒト型ロボットが誕生する。最初は『ヒトとロボットの共存』なんて政府がスローガンを掲げ秩序が保たれた世界がやってくる。その先はどこかで観た映画のとおり、ヒトに代わってロボットが支配する世界が出来上がる。SFの世界と思うなかれ、よく考えてみていただきたい。全人類より遥かに超えた知性と知識を持ち合わせたロボットの中に、独裁者が現れてもなんら不思議はない。ヒトの歴史を辿れば必然で、想像を超える能力の持ち主が本気で世界を統治し出したら、一部の人間を除いてはヒトなど必要なくなるだろう。環境の変化や災害などにも強く、メンタル崩壊なんてこともない。戦闘特化型ロボットなども登場したら、ヒトなど太刀打ちできるわけがない。
決して心配しているわけではない。
地球上にヒトがいない、そんな未来も見てみたかったという妄想話。
「まとめ。」
なんかSFホラーのようなことになってしまったが、まったくない話ではない。
いや、むしろ可能性は高い。
どうなるかわからない世界を見るために、クライオニクス(人体冷凍保存)でいつか未来で蘇生するヒトが現れるかもしれない。こうやって想像させてくれるぐらい現実味を帯びてきた技術の進化、人間の欲望に驚かされるばかり。
恐竜のように、いつか人間も滅びるときがくることでしょう
それではまた来週!