第百三十話 チガウカオ。
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週は、先週の『カオナシ』に続き、違う『顔』について綴ってみたい。
それではどうぞ。
「ズルい。」
クラシックがお好きだいう副主宰の奥様。
そんなのを聞いたらお連れするしかないと、NHK交響楽団(以下 N響)のコンサートに副主宰家族+自分の4人で行くことに。N響の友人たちにチケットをお願いし、普段よりちょっと綺麗な格好をしてクラシックの聖地<NHKホール>に足を運ぶ。
定期公演ということもあり、来ているお客様からはいつもよりカジュアルな雰囲気を感じることができる。逆に言えば、日常にクラシックのある耳の肥えた方々の集まりとも言える。そんな中、会場は暗くなりステージがライトアップされる。
舞台でいう前説、開演前のミニコンサートに友人が登場。普段滅多に聴くことのできないレアな曲をメンバー4人で演奏。友人はヴァイオリンからマイクに持ち替え、曲の背景や選曲理由など饒舌に観客を惹きつける。続いて本公演も始まり、オーケストラの迫力と波のように訪れる音に包まれ、幾つもの楽器の重奏でひとつの曲を完成させる。改めて、クラシックおそるべし。
「あんたたちズルい!」と友人ふたりに伝えたい。普段一緒にいるときは、ヘラヘラしてる愉快な仲間たちなのに、いざ舞台に上がった途端に豹変するその出立ち。そんな凛とした姿を見せられたら、こちらはたまったもんじゃない。そんな『チガウカオ』に錯覚を起こし、騙されそうになる。
”人はギャップに弱い”とよく耳にする。普段なかなか見ることができない姿を見せられると、ギャップがあればあるほど魅力的に思えてくる。まるでフランス料理のように、ひとつの料理でいくつもの味の変化を楽しめるが如く奥深さすら感じてしまう。そんな発見をしてしまうと、困ったものでどんなものであれ愛着が湧いてくる。
気をつけてくださ~い
錯覚ですよ~
「まとめ。」
この友人ふたりと遊ぶようになり、クラシックに関心を持つようになった。
記念すべき<じろうの道草>第一話『はかどってしかたがない』にも綴ったとおり、クラシックを聴きながら毎回コラムを書いてる。
ここまで『チガウカオ』を持てる人は、選ばれし人だとボクは思うのだ。卓越した才能を持つことすら奇跡なのに、努力と継続をすることのできる更なる才能、環境なども相交り、友人ふたりのような仕上がりをみせる。うん、素直に羨ましい。
こんな『チガウカオ』に翻弄され、ただの感想文で終わってしまった今週のコラム。
貴方も『チガウカオ』を持ちたいと思いませんか!?
それではまた来週!