第百五話 映画〜SAND LAND
暑かった8月も今週で終わる。
入道雲には、子どもに虫カゴ。
映画館には、ポップコーン。
そして夏といったら<ドラえもん>。コナン、クレヨンしんちゃん、ワンピース、ディズニー&ピクサーまで、毎年のことながら子ども映画が大ヒットする。夏休みに家族や友達同士で映画に行くなんて、素敵なことじゃありませんか!
今回のお題は、子どもたちに便乗してアニメ映画の話にしようと思う。
それではどうぞ。
「鳥山明。」
我々の少年時代、漫画家といったら”鳥山明”。
<Dr.スランプ>に度肝を抜かれ、<ドラゴンボール>で完全に心奪われる。車やバイク、飛行機などの乗り物やロボットなどのメカたち、さらに架空の動物たちもみんながみんな刺激的!
メインの漫画はもちろんのこと<鳥山明◯作劇場><ヘタッピマンガ研究所><トンプー大冒険>などの短編ものも、小遣い片手に中古マンガ屋で漁りまくっていた。<ドラゴンクエスト>のキャラクターデザインを鳥山明が手掛けるとなれば、小学生たちに見て見ぬ振りはできない。<マリオブラザーズ>の163万本に続く、当時では驚異の150万本。それだけ多くの人がひとつのことに熱中することができた時代。それだけ情報が少なくて、選択肢も今より少なかったのかもしれない。
テイストは変わってしまったが、いまだに<ドラゴンボール>が続いていることに不思議な気持ちにもなる。
「サンドランド。」
宮崎駿が本当にやりたい世界を描いた『君たちはどう生きるか』。泣けると噂の『キングダム3』(実際、泣けた!)。ちょっとちょっと『SAND LAND』を忘れちゃいませんか!?
2000年に少年ジャンプで連載されていた短編が映画化された作品。鳥山明が老人と戦車を描きたいということから創られた物語。ストーリーは漫画で見てもらうとして、映画の『SAND LAND』はこれぞ鳥山明ワールド満載。観てからもずっと余韻が残る。
『呪術廻戦』や『鬼滅の刃』などの最新デジタル技術のタッチに引っ張られることなく、フラットなアニメテイストにしているところがまたニクい。どのシーンを切り取ってもセル画になってしまうほどの美しい画角の連続。登場するモノすべてが愛らしくキャラ立ちしていて、完全に目を奪われる。伏線など貼らずこねくり回さないストーリー展開が、逆に自信の表れのようにも感じられる。まさに職人技。この世界観が心の奥底まで染み渡る。
ファンタジーの世界で生きていた頃の自分を思い出させてくれたようで、ちょっとした心の洗濯をしてもらった。どうです、たまにはひとりで映画なんて。
「MX4D。」
”MX4D”をご存知だろうか。
ボクは今回の映画で初めて体験することになる。
なんと映画のシーンに合わせて、椅子は動くは風は吹くはで大忙し。さらにフラッシュライトのような光、水しぶき、極めつけは”匂い”までしてくる究極の映画鑑賞。映画館もここまできたかと、観た本人が驚きの連続。3Dを超えて4Dとはこのことだったのかと感心してしまった。
機会があれば、是非体感していただきたい。
「まとめ。」
大リーグの大谷翔平所属のエンゼルスの中継の背景に、『SAND LAND』の広告が出ていた。
昨年、映画予告で紹介されているのを観て、必ず観に行こうと思っていた作品のひとつ。
”MX4D”なんていう初体験もできて、個人的にはとても印象深い映画になった。
いまはサブスクサービスが優れているからどんな映画もテレビで簡単に観れてしまうけど、わざわざ足を運ぶ映画館はまた違ったものになるのかもしれない。
いや~映画って本当にイイものですね~
それでは皆さん、さよなら、さよなら、さよなら
それではまた来週!