第九十九話 ビールと枝豆

第九十九話 ビールと枝豆


まだまだ続く蒸し暑さ。
もう梅雨明けしてるんじゃないかと思うけど、時折降る豪雨を目の当たりにするとまだなのかなと納得してしまう。

そんな暑さの中、話題もさっぱり『ビールと枝豆』というのはいかがでしょうか。

それではどうぞ。



「にが。」

『ビール』
シュワシュワしたこの苦い飲み物が、ここまで世界中に広がり愛されているということが不思議でならない。コーヒーにも同じことが言えるが、”苦味”は人の味覚を刺激するクセ者なのに定番にもなりうるパワーの持ち主だ。ビールやコーヒーのにがにがブラザーズは、こうして飲み物界を席巻し続けていくのだろうといつも飲みながら思うこと。ちなみに筆者は、ビールとコーヒーどちらも愛してやまない。

『ビールと枝豆』。
なんて響きの良い組み合わせだろう。『たばことコーヒー』属にいう”Coffee & Cigarettes”、『珈琲とカレー』純喫茶でよく目にする不思議な組み合わせなどがあり、この苦い飲み物たちには大抵相方がいる。ビールといったら<枝豆>という最強コンビはテッパンと言えるが、海外に目を向けてみたらどうだろう。調べてみると、チキン人気が高いということがわかった。



「あて。」

アメリカでは<フライドチキン>、メキシコや韓国は<辛いチキン>、台湾やインドネシアなどは<焼き鳥>、インドの<タンドリーチキン>というのもあった。おしゃれ代表のフランスでは<エスカルゴ>、伊達男が集まるイタリアは<生ハム>、スペインでは<アヒージョ>、ビールといったらのドイツはもちろん<ソーセージ>。全体的に塩っけの強いものが好まれる傾向。ヨーロッパの人たちはひと味違うというか、食べものまで洒落てるような気がする。あっ、イギリスの皆さんごめんなさい。。。<フィッシュ&チップス>も外してはならない。

日本では<枝豆>。
はっきりいって、シブすぎるでしょ~。豆だし、肉とかじゃないし、味つけも塩だけだし。ここが日本人の興味深いところではないかと予想もできる。実際ビールと油モノの相性がいいのはみんな知ってる周知の事実。各国同様、唐揚げビールに焼鳥ビール、餃子ビールもたまらない。それでもなお『ビールと枝豆』が不動な位置にいるのには訳があるのではなかろうか。



「わけ。」

「とりあえずビールと枝豆!」
合言葉のようになっている潜在的すり込み。一番旨い最初のひと口のあとには<枝豆>が鎮座していることが多い。ここの印象ポイントはデカい。そこから例の油モノたちがやってくるが、お腹もいっぱいになってくるとまた<枝豆>に戻ってくる。シンプルな豆だけに毎回口がさっぱりするのもいいところ。だだちゃ豆や黒豆のような香ばしい<枝豆>が出てきようものなら、それはそれは幸せの極み。

それとひとつとっては一粒づつ押し出すあの作業。口に放り込んではビールで流し込む無限ループ。この行為を友人は「ご飯食べた後タバコを吸うのと同じ感覚」だと言っていた。あまりにも自然かつ中毒性があるということだろう。わからなくもない。程よい塩味と優しい甘味。食感も硬めに茹でられてるとなお良し。スナック菓子とは明らかに違う、飽きさせないのも<枝豆>の特質するところ。最近ではコレステロールや中性脂肪を気にする人が増えていることもあり、ビールのあてが<枝豆>なんて健康にまで気を遣ってくれる。

一撃必殺はないし、強烈なインパクトも持ち合わせていない<枝豆>。ほかの料理の邪魔をせず、とにかくすべてが程よくて、結局たどり着く場所なのではないかと思わせてくれる。

最初にビールのあてに<枝豆>を出した人、天才、神様、仏様!



「まとめ。」

完全な個人的見解。
まだまだ『ビールと枝豆』の魅力を知っている方々、いらっしゃることでしょう。

この暑い夏だからこそ、冷えたビールが旨いはず。
たまには昼間に1杯、ビールで喉を潤してはいかがですか?

それではまた来週。

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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