第九十二話 冷やし中華

第九十二話 冷やし中華


5月もあっという間に最後の週。
皆さまいかがお過ごしでしょうか?

今回はタイトルにもあるとおり、『冷やし中華』についてどうしても話をしたくなってのお題決め。

それではどうぞ。



「はじめました!」

最近、街の飲食店でやっと出てきた『冷やし中華、はじめました!』の文字。
いよいよこの時期がやってきたかと思うと、居ても立っても居られない。恒例キャッチフレーズの認知度に比べ、待ち焦がれている人がそれほど多くいるとも思えないのだが、どうであれ筆者は”冷やし中華”が大好きだ。

夏限定の定番メニュー”冷やし中華”。
季節は違えどマクドナルドでいう<グラコロ>や<月見バーガー>みたいに、期間限定って言われるとどうしても頼みたくなる人の心理。つけ麺や冷やしラーメン、冷やしたぬきそば、ぶっかけうどんなど普通に食すことのできる冷たい麺とは異なり、なぜか特別感のある”冷やし中華”。
そんな訳がわからないところも嫌いじゃない。



「あなたならどっち?」

”冷やし中華”といったら、あの甘酸っぱい<醤油ベース>とクリーミーな<胡麻ダレ>が主な代表選手。
どっち派論争にも発展しそうではあるが、正直どちらも旨いとしか言いようがない。個人的に小さい頃から食べ慣れている<醤油ダレ>と、ちょっとリッチな気持ちになる<胡麻ダレ>。その日の気分で選べるところもまたイイ。昔ながらの蕎麦屋さんで出してくれる”冷やし中華”も捨て難く、お願いして冬でも出してくれるお店を何軒か確保しているワタクシ道草次郎。



「はじまりました!」

”冷やし中華”を考えてみる。
具材は、ハム、チャーシュー、蒸し鶏など肉類だけでもパターンはいろいろ。魚介類では、エビ、カニカマ、クラゲ、ワカメ。他にも、錦糸卵やゆで卵、キュウリ、トマト、白髪ネギなど、載せる具材は自由自在。お店によって特徴があるのも楽しさを助長させる具材の存在。慣れ親しんだものもいいけど、驚かせてほしい気持ちも拭えない。麺も黄色くてカンスイの香りがするあのツルツルしたやつ。あれがまたたまらない。どちらもタレによって相性というのがあるのだろう。

お店ごとに一番美味しいと思ったものを出してくれる”冷やし中華”を、今年は何杯食べることができるだろう。
冷やし中華、はじまりました!



「まとめ。」

日本の食文化は本当におもしろい。
ラーメンもカレーもナポリタンも原型があり、そこからより良く親しまれる進化をしてきた。オリジナルの国の人たちもビックリすること間違いなし。ラーメンに関しては、進化を遂げすぎてもはや日本のものみたいになってる感まである。この探究心、先人の方々に感服致す次第でございます。

食文化に限らず島国だからこそ独自の文化が培われ、発展してきた事柄って今でもいっぱいあるはず。それらがレトロとなりビンテージとなり、無くなっていくこともままならない昨今。やっぱりこういう味(クセ)のあるものをできるだけ残していきたいだけなんだということを、”冷やし中華”きっかけでグッドオールドボーイの根幹に触れてみる。

進化のなかに、うまいこと伝統がスパイスになってくれればいいのになー

それではまた来週。

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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