第四十五話 ホントかな?
猛暑が続く、6月の異常気象。
熱帯夜にも困ったもので、こんなに早く暑くなるということは今年の夏は長い気配。。。
夏好きにはいいかもだけど、苦手なボクとしては芳しくない状況だ。
暑さまみれの日々の中、ふと思い出したことが今回の題材。
ローカル話かもしれないので、聞き覚えのない人は軽くスルーしてくださいませ。
「夏バテとコーラ。」
『夏に飲みものを飲みすぎると夏バテになる。』
ここ最近の暑さから、ふとこのフレーズが頭をよぎった。現代ではむしろ逆なのが正論な気がするが、確かに子どもの頃よく母親に言われていたのを思い出す。
それともうひとつ。
『コーラを飲みすぎると骨が溶ける。』
本当だと信じていたボクは、大好きなコーラは遠慮気味に、ファンタグレープばかり飲んでいた記憶がある。ここらへんはきっと、大人の策略がめぐらされていたのではないかと予想される。
上記ともに、ジュースの飲み過ぎを抑えるためのネガティブキャンペーンだったのではないかと思うのだが、本当のところはどうだろう。ジュースを飲みすぎると身体に悪いし、ご飯も食べられなくなるから夏バテになるというロジックなのかもしれない。
ほんの数十年前なのに、こんな摩訶不思議なことが当たり前とされていた。
こうなったら、他にはないか思い出したくなる性分。記憶に残っているものを一部紹介しよう。
「はてな一覧。」
『手が冷たい人は心が温かい。』
科学的な根拠があるらしいけど、そんな大雑把でいいのかしら。
『夜に口笛を吹くと蛇が出る。』
蛇には耳がないらしい。
『歯が抜けたとき、下の歯は屋根に、上の歯は縁の下に。』
本当にやっていた。
『雷が鳴ったらヘソを隠す。』
夏場の雷雨で気温が下がったとき、子どものお腹を冷やさないように脅かして体調管理をさせたことが由来らしい。
『食べてすぐ横になると牛になる。』
行儀の悪さを戒めたメジャーな迷信。なんとなく理解はできる。
『つむじを押すと下痢になる。』
そんな馬鹿な!
『お酢を飲むと、身体が柔らかくなる。』
お肉繋がりでこうなってしまったのだろう。実際は、科学的根拠なし。
『消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切ると両思いになれる。』
夢がある。
「迷信。」
さんざん書いてはみたものの、ボクはこういった迷信は嫌いじゃない。いや、むしろ好きかもしれない。そもそも迷信の多くは、子どものしつけや行儀、社会のルールを伝えるためのものだったようだ。
縁起が良いから、こうするほうがいい。
縁起が悪いから、こうしないほうがいい。
直接的な言葉にせず、何か別のものに置き換えて作り上げられたストーリー。論理的で効率重視、なんとも世知辛い現代だからこそ、こういった迷信なんかはファンタジーにすら思えてくる。しばらく行ってはいないが、ディズニーランドに訪れた時は、一生ここで暮らしたいなんて本気で思ったこともあった。アニメに没頭していたときも、似たような幻想を抱いたものだ。<日本昔ばなし>なんかも迷信の延長に属していたのかもしれない。曖昧だけど、心に残る与太話はいつまでも語り繋いでいってほしいと改めて思い直す。
なんせこれらが自己形成に多大なる影響を受けてきたと、ハッキリ言える自分がいるものですから。
「まとめ。」
時代が変われば、人が変わる。
人が変われば、常識が変わる。
歳を重ねて、しみじみと世の中の変化を痛感する。若者が時代を作り、社会を動かし、おじさんや高齢者が共存する図式ではあるが、若者の価値観だけでは足りない部分を年配者が補っているとも思っている。もちろん老害なんていうのが存在するのは周知の事実で否めないが、歳を重ねないと成し得ないことがあるのも事実。バランスを保つのがとても難しい時代。
そんな世間の中間管理職にいるようで、大事なものは大事だとちゃんと伝えていけるようになりたいと、コラムを通じて大義名分を宣言してみる。
知らぬ間に老害にならないよう気をつけようと、まるで自分に問いかけているみたいだ。