ALDEN x ANATOMICA
レザーブーツ
先日、パリより荷物が届いた。
思い当たる節がまったくなく、開封すると中から青い箱が現れる。
そこには<ALDEN>と書かれた金の文字。
思い出した!
出張でパリを訪れていたときは必ず<ANATOMICA>の本店に足を運んでいた。なぜならココは、世界で一番<ALDEN>のストックを揃えているお店。最高に洒落たパリジャン ピエール・フルニエがオーナーの<ANATOMICA>別注ときたもんだ。
今日オーダーしても、1年先かそれ以上か。
行ったときオーダーして、1年後に取りにお店へ伺う。その際にまたオーダーして、また1年後に取りに行くの繰り返し。コロナの影響と雑誌の仕事を卒業したということで、ここしばらくパリには訪れていなかった。最後に行ったときのオーダーが届いたというわけだ。
このブーツをオーダーしようとしたときのピエールさんの言葉を思い出す。
ピエール 「キミはいったい何足持っているんだい?」
ボ ク 「5足ぐらいですかねー」
ピエール 「それ以上、なんで必要なのかね? もう十分じゃないか!」
いくつも揃えることに価値を見出すのではなく、1足をずっと大事に履いて自分に馴染ませることの喜びを伝えたかったのであろう。おっしゃるとおり、返す言葉がない。
ボクは<ALDEN>と出会うまで、革靴が苦手だった。
足のカタチが変なのか、必ず靴擦れはするし、足も腰も痛くなるし。
それがモディファイラスト(※1)の革靴は、どれだけ歩いても疲れることはない。まるでスニーカーを履いているかのようで、一度履いてしまったらほかのものは履けなくなってしまったのだ。
そんな衝撃を受けたこともあり、ボクの中で<ALDEN>の革靴は特別なのである。
ピエールさん 一生大事に履かせてもらいます!
(※1)モディファイラスト
元々は、土踏まずが高い人のための矯正靴として製作された木型。
足幅が広く、つま先も開放的で、日本人の足に馴染みやすい。