レイモンド・ワッツ /  Raymond Watts
ボクのヒト
#028
『得たものは与えていかないと、
自分の中にキープできないもの...』

レイモンド・ワッツ /
Raymond Watts

Q. 年齢
61歳
Q. 職業
ミュージシャン
Q. 必需品
ESPのギター

1994年に日本のバンドSchafと一緒にプレゼントされた、
日本のギターメーカーESPのエレクトリックギター。
だいぶ傷付いてるけど、それも味なんだ。

どんな大人になりたい?

冒険心を忘れずに、常に何か新しいものを探求していくような大人。

もし魔法が使えたらどうする?

ピアノの天才になりたい!
ギターでは表現できない音楽が表現できると思うんだ。
ピアノの鍵盤にはもっとふり幅があるからね...

タイムスリップできるなら、どの時代へ、何をする?

本当は "古代ローマ時代" とか言うべきなんだろうけれど。。
実際のところは、未来へ行って "世界の終わり" を見てみたいな。

あなたにとって女性ってどんな存在?

最も興味深いし素晴らしい!
人類の半数を占めるのは女性だし、投票権を得てから100年以上が経つのに...
まだまだ過小評価されすぎていると感じるね。

最近、感動した出来事は?

懐かしの映画『シン・レッド・ライン』を映画館で観たんだけど、とてもパワフルで感動したね。

休日の過ごし方?

年齢を重ねるごとにロンドンの日常がいいと思うようになってきたんだ。
外食をしたり公園で犬の散歩をしたりアート巡りをしたり...
若い頃は全く興味がなかったんだけどね(笑)

いまの悩みは?

悩みではないんだけど、これだけ言わせて。
犬好きとしては犬のフンの始末をしない奴らが許せない!
それと、英国のEU離脱に纏わるあれこれが非常に面倒だね...

自分の中の強みって何?

人の良いところを引き出す才能かな。

好きな言葉は?

《Someone to love, Something to do, and Something to look forward to》
愛する人がいて、することがあって、日々楽しみにする事があったら...それで幸せだ!

好きな映画は?

常に変わるけど、、
今はやっぱり『シン・レッド・ライン(1998年)』

あなたの一曲は?

プッチーニのオペラ『トスカ』の楽曲『Vissi D'Arte』
トスカは、最近8日間のうちに3回も観に行ったほどはまっているんだ!

100万円もらえたら何に使う?

彼女と日本旅行に行く。

最後の晩餐に何食べる?

寿司だね。
ネタは、ウニ・大トロ・イクラ・イカ…とにかく高級なやつ全部!

あなたの誇れることはなに?

二人の息子だよ。
それと...オーバードーズで死にかけたあと、クリーンになったことかな。
最初の数週間は本当に辛かったけど、"今" があるのはそのおかげなんだ!

あなたが思う、GOB(Good Old Boy)とは?

思いやりがあって優しい人。あとは人に与えること。
得たものは与えていかないと、自分の中にキープできないものなんだよ。

編集後記

北ロンドンの閑静な住宅街の一軒家で、愛犬のウォーリーと共にお出迎えしてくれたのは、日本にもファンの多いインダストリアル・ミュージシャン<PIG>の名で知られるレイモンド・ワッツさん。全身を黒で固め、ロックミュージシャンらしいスキニーパンツに厚底ブーツ、シルバーアクセサリーというファッションでありながら、その身のこなしは英国紳士そのもの。実家となるこの家で90歳になる母親の面倒を見ながら暮らしている。

インダストリアル・ミュージックとは1970年代にパンクの影響を受けた電子的な雑音を軸に構成されたもので、<PIG>の音楽はさらにエクスペリメンタルでそのジャンルや他バンドとのコラボレーションも多岐に渡る。レイモンドさんの創作意欲は衰えることなく、1980年代にその活動をスタートして以来、現在も音楽スタジオに通いアルバムをリリースし続けている。

1990年代には日本のレーベルと契約をしていたということで、25年前までは仕事でよく日本を訪れていたというレイモンドさん。自宅にも日本語表記のアルバムが並んでいる。その後すっかり日本好きとなった彼は、5月には初の旅行での来日を予定しているということで、本場で大好物の寿司を食べるのを今から楽しみにしている。

若い頃には、その他大勢のミュージシャンと同じくドラッグに溺れるロックンロールなライフスタイルを送っていたレイモンドさんだが、年齢を重ねるごとにいま自分が持っているもの(自身の健康や日常の些細な楽しみ)の大切さがわかるようになってきたそう。レイモンドさんはまさに遊びと創造力をバランスよく両立する、クールなGood Old Boyなのだ!

《PIG》
https://pigindustries.com
https://pigindustries.bandcamp.com

《Instagram》
@raymondwatts
ミスター・アウル イメージ

ロンドンのヒト

撮影・編集:柳田愛子
ロンドン在住フォトグラファー&ジャーナリスト
オンラインのコーヒービジネスを経営する傍ら、ファッション&カルチャー誌向けに写真撮影&執筆活動を行っている。

《Instagram》
@aikoyanagida
@therightroast
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ボクのヒト

																		  歳を重ねないと、出せない格好良さがある。
																		  シブさ、洒落っけ、奥深さ。
																		  まるで珈琲のようだけど、どう生きてきたかをあらわす無二の表情。
																		 『ボクのヒト』は、人生の物語りなのである!