この人、誰か知ってる?

この人、誰か知ってる?

2024年4月より、刷新される新紙幣。
聖徳太子、福沢諭吉ときて、新一万円札に描かれるのは『渋沢栄一』

「はいはい、あの渋沢さんね!」といくはずもなく、「誰?」って思った人も多いはず。
大河ドラマ『青天を衝け』では、主人公としても話題のようだけど、残念ながら観たことがない。
『日本の資本主義の父』っていうだけの認識だけど、ひと言で済ませるのは申し訳ない。一万円札になるぐらいの人だから、かなりの偉人であることは間違いない。

まったく知らないのは大人として恥ずかしいし、GOB(Good Old Boyの略)には到底なれない。
ということで、『渋沢栄一』について知っておきたいとこをまとめてお伝えしよう。

『歴史が生まれる』

1840年 埼玉県深谷市で農民の子として生まれる。
もともと名家ではあったが、少年時代から藍玉(藍染の染料)に使う材料の買付けを手伝っていた渋沢栄一は、すでに商売人として天性のものがあった。

ペリー来航~開国~貿易解禁の影響もあってか、倒幕を企てようと計画していたが断念。その後、なんの因果か、逆に幕府に仕えることに。徳川慶喜の弟、昭武の留学・万博の参加に同行するため、フランスのパリへ渡航。

『刺激的なヨーロッパ!』

渋沢栄一が、ヨーロッパ文明に驚かされ、影響を受けたものを紹介しよう。
・ エレベーター
・ 農機具/紡績機械
・ 汽車
・ 上下水道
・ ガス灯
・ 電気
・ 銀行・金融・会社の制度(株式会社)
・ 病院(国民みんなが通える)
・ 新聞
・ 電話(電信装置)

いまでは当たり前のものばかりだが、ちょんまげに着物、腰には刀を差している江戸時代に、これらヨーロッパ文明を目の当たりにしたら。。。それはそれは、衝撃的であっただろう。

この経験が、のちの日本にどれだけ影響を及ぼすことか。大袈裟ではなく、日本の進むべき道を作るのは、渋沢栄一に掛かっていたのである。

大政奉還が行われ日本に帰国。さあ、明治時代のスタートだ!

イラスト_1

『帰国後、真っ先にしたこと!』

フランスで学んだ知識を活かし、まず始めたのが、商社と銀行を合わせた「商法会所」を立ち上げる。
<政府から借りたお金>と<商人の出資>をもとに、農業などの生産に必要な資金の貸し付けをし、さらには製品などを買い取ることもする会社。利益が出たら出資者に配当金が出される。
これはまさか!そう、これが日本で初めて誕生した『株式会社』と言われているのであった。

『大隈さんに説得されて。。。』

フラグを立てよう!のちの渋沢栄一にとって大きな糧になる出来事が、こちら。

「商法会所」の手腕をかわれ、大隈重信に説得されて、大蔵省の役人になるのである。
・ 度量衡の統一(計量単位)
・ 富岡製糸場
・ 鉄道の敷設
・ 郵便制度
・ 官庁の建設
・ 新貨幣制度
・ 租税改革

などなど、重要な国政のほとんどを中心人物として手掛けたのだ。しかもたった5年の間に、、、凄すぎる!
さらに驚くのは、こんな実績を残した人があっさりと役人をやめてしまったのだ。

『ここからが、驚きのオンパレード!』

民間実業家になった渋沢栄一は、いまでも名の知れた企業の立ち上げ、公共事業に関わった。
ひとつひとつ、ストーリーがあるのだが、ここでは主な企業名だけを記すことにする。

・ 国立銀行(現・みずほ銀行)
・ 日本鉄道会社(現・東日本旅客鉄道)
・ 東京瓦斯(現・東京ガス)
・ 東京電灯会社(現・東京電力ホールディングス)
・ 東京海上保険(現・東京海上日動)
・ 王子製紙(現・王子ホールディングス)
・ 大日本麦酒(のちのアサヒビールとサッポロビール)
・ 清水建設
・ 東京ホテル(現・帝国ホテル)
・ 共同運輸会社(現・日本郵政)
・ 大阪紡績(現・東洋紡)
・ 東京株式取引所(現・東京証券取引所)
・ 東京貯蓄銀行(現・りそな銀行)
・ 一橋大学
・ 日本女子大学

いうても、これはほんの一部。これらを実現できた理由として、元大蔵省の役人だったというのが深く関係しているのだ(フラグ回収)。ほかの実業家との大きな違いは、大蔵省官僚との親密な関係にあった。いまでは、官僚と企業の繋がりは公にご法度だが、渋沢栄一は、辞めたのちに、官の協力(つまりは資金や口利き)を仰いで、日本経済の発展に貢献したのである。
500の企業、600の公共事業に関わったとも言われており、『日本の資本主義の父』なんて呼ばれるのは当然のことだろう。

『一番大事なのはココ!』

これが最後の章で、ちょっとカタくなるけど、一番重要なとこ。
名を残す人には、それぞれの哲学がある。実業家であれば、なおのこと。ここでは、渋沢栄一の信念に感銘を受けたので、ぜひお伝えしたい。

語るうえで欠かせないのが、渋沢栄一が折々に語った内容がまとめられている『論語と算盤』。中国の思想家・孔子が重んじた、礼儀や親孝行、他人への思いやり、学問の大切さなどが記された「論語」に、経済の象徴でもある言葉「算盤」を結びつけた、商売には道徳が必要だと主張した書。いまでもビジネスのバイブル的存在なのだ!

金儲けのためなら手段を選ばず、他人を犠牲にしても恥じることがない。そういう商人ばかりの時代に、ズルをしても勝てればいいなどというような考えがはびこっていては、経済は発展しないと言い続けたのが、渋沢栄一なのだ。

私利私欲で、利益を独占する商売を嫌い、社会全体の発展につながる商売でないと日本は変わらないという信念。

『官尊民卑(かんそんみんぴ)の打破』は、生涯をかけて達成しようとした目標のひとつ。役人が偉くて、民はお上に従う存在。昔から続くこの考え方を壊すという信念。

「商人にも道徳が必要」という、教育の重要性を唱え、実行する信念。

まだまだあるが、こういった信念に基づき経済の発展に尽力したのは、すべて日本の社会をより良く変えるための働き。
偉大すぎる! スケールデカすぎ! 神!
SNSに投稿しそうな言葉ばかりを並べてしまう、、、情けない。

のちに、生活困窮者、障害者、孤児といった人たちのために社会公共事業にも力を注ぎ、「東京慈恵会」「日本赤十字社」などの設立にも携わったのだ。

イラスト_2

『最後に』

さらっと簡潔に書くつもりが、長くなってしまった。
渋沢栄一がいなかったら、いまの日本はなかったかもしれないと痛感する。
読み返すと、ヨーロッパ文明に触れたことが、立ち上げた企業のほとんどに関連しているところも興味深い。自由とは掛け離れた厳しい時代に、ひとつひとつ生み出し作り上げていく、バイタリティーの塊のような人だったのであろう。

こういった偉人が、現代を見たとき、いったいどう思うのであろうか。
畏れ多いことだが、酒でも酌み交わして話をしてみたいものだ。
新一万円札を傍に。

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