第十四話 プチマイブーム
今週もやってまいりました「じろうの道草」!!
勢いよく書き始めたものの、お題はなんともただの日常の出来事。今回は、ほっこりも感動もなにもないと先に伝えておこう。書いている本人が今の時点でどうしようか迷走しているのだから、とりあえずは見切り発車でいけるとこまでいってみよう。
こんな時間軸の描写も入れながら、ぶっつけ本番ワンマンコラムを始めよう!
「我が事務所。」
とにかくボクは、家にいる時間より事務所にいるほうが圧倒的に長い。
昼間はヒトに会い打ち合わせやなんやらで、夜は「じろうの道草」第一話のとおりクラシックをBGMに、書きモノや考えゴトであっという間に夜明けを迎える。
こんな生活をしばらくしているが、所詮、事務所は事務所。風呂もなければキッチン周りも小さすぎてなんの機能もしていない。ソファで寝るときの枕や携帯スタンドなどは、一応揃えてある程度で不便な空間であることに変わりはない。
「イエスマート。」
ある日、うちの総務の女性スタッフが黄色い袋いっぱいに、差し入れだといって唐突に何かを持ってきた。中身を見たら、10種類以上の見たことのない即席麺の数々。ボクが即席麺を好きなことを知っていたのか偶然なのか、どうあれココロ弾むサプライズ。話を聞くと、家の近所に韓国食材を扱う「イエスマート」というスーパーができたらしく、頻繁に足を運んでいるらしい。
日本のスーパーに比べると、店員さんはぶっきらぼう。だけど、それを凌駕するほどの品揃えと種類の多さに、思わず色々買ってしまう今イチオシのスーパーらしい。
もしかしたらボクが海外にいくたび、美味しくないのを知ってるくせに、現地のスーパーでカップ麺や即席麺を怖いもの見たさで手を出してしまう話をしたのを覚えていたからなのだろうか。であれば納得の差し入れ。韓国産であれば、美味しいに決まってる!
あれ、食器も鍋も何もない。事務所じゃ食べれない現実と直面する。。。
「贅沢の極み。」
こうなったら、なんとかして食べてやる!
早速、Amazonで検索。湯切りできるタイプの即席麺用の四角い小鍋と、アウトドア用のコンパクトなコンロをポチっ!どうせ食べるならどこまで贅沢に美味しく食べれるか、挑戦しているボクがいる。夜中のスーパーにいって生食用の牡蠣と、ネギに卵にソーセージ、豆腐にタニタのガスボンベも揃えて、即席麺と向き合う準備完了。
事務所でひっそり屋内アウトドア? グランピングなんて洒落たもんじゃない。側から見たら、単身赴任のおじさんが一人寂しく夜ご飯を作っているとも見えるだろう。当の本人ときたら、火がついただけでテンション爆上がり。韓国麺は煮込んでも伸びないから片っ端に食材を入れて、煮込むこと5分。
う、旨い!旨すぎる!
海鮮辛味噌に食材の出汁が混ざり合い、過去一と言ってもいいぐらいの仕上がり。事務所でこんなものが食べれるのもそうだけど、この作る過程も楽しくて、弱火で火にかけながらいつまでも熱々の学生気分を味わう贅沢な大人。
最近では、くるヒトくるヒト見境なく即席麺を振る舞うブームがやってきた。
「お腹すいた?食べていく?」おばちゃんの気持ちが少しわかり始めたこの頃。
「まとめ。」
なんとかまとめまで辿り着いた。
昼間なのに、ビールを飲む
大雨なのに、濡れない車の中
冬なのに、あったかい
この”なのに”というのが、ギャップを生み出し魅力の底上げをしてくれる。
「春なのに、お別れですか♪」という逆バージョンもあるけど、できればマイナスからプラス変換が望ましい。
事務所なのに、こんな美味しい手作りメシを食べれるなんて、いいきっかけをもらったものだ。