第二百二十四話 マキコマレ
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
今回は、不思議な出来事をひとつ。
それではどうぞ。
「大粒の雨。」
瓦屋根の日本家屋の庭には、橙色した柿の木がよく似合う。
絵画、写真、小説などで、秋の情緒といったら必ずといっていいほど登場する柿のモチーフ。そんな昔ながらの情景がやけに刺さるようになってきている自分に驚く。
こういったどこにでもある日常を趣として残す。経験はしていないのに、なぜか懐かしさを覚えてしまうのはなぜだろう。そんな昔からある言葉に、先日巻き込まれてしまったのだ。
日曜日の昼下がり、家の前にいたときのこと。空は陽光も感じることができるほどの曇り具合。そんな日に、僕の周りだけに大粒の雨が降ってくる。一瞬で止み、またすぐに降ってくる。それを何度も繰り返すものだから、誰かの悪戯ではないかと見上げてもおかしなことはなにもない。それでも大粒の雨は、なぜかコンスタントに降ってくる。
どうしてなのか、建物の後ろの高台へ移動して屋上を見てみる。そこには1匹のカラスがいて、屋上に溜まった水溜まりで水浴びをしている様子が窺える。真下からではまったく見えなかったが、離れてみてようやくわかった不思議の答え。
これぞまさしく『カラスの行水』
、、、に巻き込まれた出来事だった
「まとめ。」
『カラスの行水』
風呂の時間が短いことを意味する言葉
昔ながらの暮らしの風景とでも申しましょうか、こんな日常すらも”例え言葉”にして意味を持たせてしまう日本の文化。100年後にも残って伝わる、現代版の”例え言葉”を誰か作ってくれないだろうか。
真っ先に浮かんだのは、言葉の達人”糸井重里”
ぜひお願いします
それではまた来週!
