第百九十五話 オクユカシ

第百九十五話 オクユカシ


毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。

さて今週は、最も美しい言葉をお題にしてみよう。

それではどうぞ。



「推し活。」

奥ゆかしい』 ーオモテに出ない深い部分に美しさや趣がある様子
街では携帯片手に、動画や写真を一生懸命撮影している光景があたりまえ。SNSがすべてといった世代にとって、世の中ずうずうしくしてるぐらいがちょうど良くて、控えめに生きていると損をすることも多い気がしてならない。

推し活”という言葉が出てきたのは2000年代になってからと記憶している。かつての”推し活”といえば、ジャニーズの”追っかけ”がまさにそのもの。オタク文化がカジュアルに、一般的となった”推し活”。

推しがSNSでアップした場所には自らも行って聖地巡礼。ライブやイベントなどがあれば、場所など関係なく何処へだって足を運ぶ。かなりの倍率を掻い潜りチケットを手にしたものなら、なにを着ていこうか思いを巡らせ、前日は美容室へ行って自らを高めて当日を迎える。推しに気に入られるためというわけではなく、自分が最高の状態で接したいという楚々とした想い。見返りを求めるはずもなく、むしろ存在してくれているだけで幸せいう思考。自己顕示欲でできている自称インフルエンサーとはわけが違う。現代の奥ゆかしさは、”推し活”に集約されているのではなかろうか。

無償の愛は、”推し活”から始まるのかもしれない



「まとめ。」

推し活”をしている者同士のコミュニティーなどもあり、推されてる人はどれだけ幸せなことだろう。人を惹きつける魅力があって、さらにオモテ舞台に出続けられる才能も持っているっていうんだからそりゃ凄いとしか言いようがない。

ただ正直なところ、男女問わず”奥ゆかしさ”にこそ魅力を感じ、自身もそうでありたいとひっそり思い続けて生きてきた。もしかしたら、これを本当の”ないものねだり”というのかもしれない

それではまた来週!

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
この記事、如何かしら?
  • キュン (2)
  • WOW (2)
  • NEW (2)