第百七十三話 ラジオラジオ
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週のお題は、ある事への想いを語ろうと思う。
それではどうぞ。
「想像。」
ラジオが好き。
高校卒業間もない頃、ラジオDJ募集があり録音したデモテープとともに応募した経緯があるくらい。小林克也<ベストヒットUSA>やとんねるずを始め歴代の<オールナイトニッポン>、城達也<JET STREAM>、現在の<スカイロケットカンパニー>や<スクールオブロック>に至るまで、聴いてきた番組は書き切れない。AMまで含めたらなおさらのこと。森田一義(タモリ)、伊集院光、ピーター・バラカン、クリス・ペプラー、先日お亡くなりになられた小倉智昭など、ラジオから多くの著名人も輩出してきた。
では、ラジオのなにがいいのか。
とても重要なのは、とにかく邪魔にならないということ。運転してても作業をしてても視覚を奪われることがないので、声のトーンも相まって程よいBGMになってくれる。一般の方々のお悩み相談からテーマに沿った深掘りトーク、最新から懐メロ、ジャンルを問わず幅広い音楽も提供される。あらゆる業界の専門的なマニアックな話もそそられるし、とにかく話題は豊富すぎ。タレントや芸人がDJをする番組になると、テレビで観るのとは違うリラックスした素の本人を垣間見ることができる。友達と喋っているような感覚に、ラジオきっかけで好きになる人も多いはず。忘れてはいけないのが、そもそも発信されるのは”声”だけだということ。視覚情報がない分、この発せられる”声”から想像を膨らますという行為。自然にやっていることとはいえ、小説を読んでいるのと同様にイマジネーションを必要とする世界なのだ。
ラジオは、庶民的で昭和な雰囲気を出してくれるという効果もある。
映画やドラマなどでひと昔前を描くなら、喫茶店や食堂にはラジオが流れていてほしいし、競馬とおじさんとラジオは最高のマッチング。受験生やアパート暮らしの苦学生の部屋にも流れていてほしい演出のひとつ。
先日、ワイヤレスイヤホンを買った。
音質だの質感だの色々説明を受けたが、目的はラジオ(radiko)を聴くためと最後まで伝えることはなかった。
「まとめ。」
個人的になんでもない会話が広がっていく番組を好んで聴いている。
振り返ると、このコラムを始めたのは『ペヤング』について熱く語りたいということがきっかけ。第三話で早々に叶えてしまったが、ラジオのようなコラムを書きたいというのが根底にあったように思える。マジメなものからたわいもないものまでお題はなんでもいい。とにかくその時々の想いを伝えたい、言葉に残したいというのはきっと”ラジオ好き”が関係しているに違いない。
誰かラジオに呼んでくれないかなー
それではまた来週!