第百七十二話 イワナイナイ
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週のお題は、ある言葉について話をしたい。
それではどうぞ。
「ワナビーおじさん」
「若いから食べれるでしょ~」
「若いからできるんだね~」
なんていう会話のフレーズをよく耳にすることだろう。この”若い”にはいろんな逆説が込められていることにお気づきだろうか。「若いから食べれる」には、量そのものに油っこさや味の濃さなどの質、加えて自分はもう若くないからという諦めや羨み、対話のセリフ化、そして若者を一色単に見てしまっているという節も窺える。
ボクは学生時代から、早くおじさんになりたかった。
大人への憧れなのか、未熟な自分への葛藤なのか理由はよくわからないが、大人は格好良いものと思い込んでいたのかもしれない。親戚の集まりなどがあると、何十人といるいとこの中で一番歳下の自分はいつもお豆扱い。この”若いんだから”という言葉にどんな返答をしたらいいのかわからず、愛想笑いをするしかなかった。子どもながらに困惑していたのだろう。そんな影響もあってか「若いから〜」という言葉を人に使わなくなったという話。
そもそも、若きゃ良いってわけでもないし歳取れば良いわけでもない。
いつかはみんな老人だし、その時その歳をどう過ごすかを試されているようでならない。だったら、その歳にしか出せない安心感や包容力、シュールでウィットに富んだアバンギャルドでユーモア溢れるジェントルマンを目指すしかない。
容姿ばかりじゃないんすよ!
「まとめ。」
実際、「若いね~」っていまだ年配の方々に言われるし、されている状況もよく目にする。
言っているほうからしたら何の気なしに発しているのだろうけど、ココから生まれるものは何もない。むしろ、相手との距離感を自ら作っているように捉えてしまう。逆も然り、自分は「年寄りだから」とか「おじさん(おばさん)だから」みたいなことも相手を困らせてしまうので要注意。
考えすぎなのかそうではないのか
答えは相手に委ねることとしよう
余計なことを言わないのもグッドオールドボーイの心得のひとつ
それではまた来週!