第百四十話 あたりまえじゃないんだよ。
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週は、とある河川敷での話を膨らませてみようと思う。
それではどうぞ。
「無理〜。」
休日の河川敷。
マラソン、ウォーキング、犬の散歩やピクニックなど、おのおのが過ごす休日の光景。ちょっと大きいユニフォームを着た”子どもたち”というのも抜群な相性ではないだろうか。野球やサッカーをする傍らの親御さんたちも景色の一部となり、さらに休日感を増してくれる。
そんなグラウンドに、どうしても気になるヒトがいる。どんな映画や漫画でもだいたい脇役で終わってしまうポジションのヒト、そう”監督”である。監督像といったら、ちょっと怖くてずっとノックをしているおじさんがイメージ。少年野球には欠かせない存在だが、よくよく考えたらこんな気持ちの良い週末、河川敷に来て子どもたちに何時間も野球を教えるというのは並大抵のことではない。朝も早いだろうし、金曜日など夜中まで呑んだくれることなどないのだろう。週末の旅行や買い物、用事なども差し置いて草野球を優先するということは、家族の協力なくしてできることではない。とにかく野球が好きか、子供が好きか、はたまた使命感なのか、どうあれ尊敬でしかない”監督”という役割。
歳の頃など自分とたいして変わらない。だからこそ目に入ってきたのかもしれない。「自分に同じことができるだろうか?」と自問する前から戦意喪失。1回や2回ならまだがんばれる気もするが、1年を通じてなんて不可能すぎる。絶対ムリ。誰にでもできるコトではない。
”あたりまえ”に目にしてきたことが、”あたりまえじゃない”ということに気がついた時、視界を広げられたような錯覚に陥る。平面だったものが立体的になったというか、点しか見てなかったものの全貌が見えてきたというか。
日常の”あたりまえじゃないんだよ”を、もっともっと探してみたくなったという話。
河川敷にいる少年野球の監督は、あたりまえじゃないんだよ〜
「まとめ。」
当たり前じゃないんだよ~ 当たり前じゃないんだよ~ 僕らが見てる幸せは~♪
新しい学校のリーダーズ『じゃないんだよ』の歌詞の一部。
まさしくおっしゃるとおり!
『模範的なやつばかりが評価されるこの時代、くだらない不寛容社会から、個性と自由ではみ出していく』というコンセプトのもと、10代20代のみならず、すべての年代に向けてメッセージを送り続けている4人組。同じ歌詞を聴いて違った捉え方をしているワタクシも、ある意味はみ出してしまったひとり。
コラムを書きながら、頭の中にずっと流れていた曲。
青春日本代表~
それではまた来週!