第八十三話 WBCに学ぶ
WBCが終わった!
<じろうの道草>第八十一話『ヌートバー』と話題がかぶるのはいかがかと思ったが、今週の最大の出来事と言ったらほかならない。
全勝優勝という最高の結果に、日本中が歓喜に沸いたWBCをあらためて振り返ってみたい。
試合の内容はすでに知っていることと思うので、そこらは割愛しつつ綴ってみよう。
それではどうぞ。
「オオタニサ〜ン。」
今回のWBCは、まさしく大谷翔平のための大会だった。
メジャーリーグ含め、世界の野球の中心となった大谷選手。まさか日本人がこんな存在になるなんて、誰が予想できたことか。盟友トラウトとの対決を三振で試合を決めるドラマティックなシナリオに、両国いろんな想いが生まれたことだろう。あの甲子園での活躍からはや10年、人ってこんなにも偉大になれるのかと驚かされることばかり。まさにこの世代が今の時代を牽引しているということを証明しているかのように見えた。
自分を信じ、二刀流を突き進み、努力に努力を重ね野球漬けのストイックな生活。同じことをしても誰もが辿り着けるわけではない、結果がすべての厳しい世界。この素晴らしい才能を潰すことなくしっかり開花させたきっかけとして、入団当時の栗山監督はじめ日本ハムコーチ陣の影響は多大なものだったのではないかと振り返ってみたくなる。
これがおじさんらに課せられた仕事であり、使命なのではなかろうか。
「栗山監督。」
これを実践してくれた今回侍ジャパンを率いた栗山監督。
若手中心のチームを尊敬される先輩がしっかりまとめ上げた、管理職のような役割を担ったダルビッシュ有。才能溢れる若手の長所を最大限に引き出し、のびのびプレーできる雰囲気や環境を作り上げた。初の試みでもある日系現役メジャーリーガーの日本代表入りという新たな挑戦。あえてキャプテンを設けず選手の自主性と責任感を信じ、あらゆる事態を想定したチーム作りや采配はまさしく変貌を遂げる今の時代の会社そのもの。どうすることが部下やチームにとって良いことなのか、失敗を恐れず本質を見極めて個を活かす。コンプライアンスという言葉に馴染めないのもわかるけど、噛み合わないままに事柄を達成できなかったらなんのこっちゃない。
御年61歳。
根性論で育てられた世代の栗山監督が、いまの時代をしっかり理解し謙虚に若者と向き合う姿勢に感銘を受けたおじさん達も多くいたことだろう。そのひとりが筆者であることは言わずもがなである。
「まとめ。」
今までで一番盛り上がった今回のWBC。
大谷翔平 vs マイク•トラウトを観てみたいのもあったけど、米国チームがスター軍団を組んでくれたのも理由のひとつ。やっぱり圧倒的に強い王者アメリカがいて、そこに各国が立ち向かう漫画のようなテッパン設定がなんだかんだでやっぱり楽しい。次回、MLBオールスター軍団がそのまま参加してくれると本当に激アツ展開間違いなし!早く来い来い3年後。
最後にひとつ、WBCの優勝トロフィーってあのティファニー社の職人が作ってるんだってさー
それではまた来週。