第七十七話 肉バランス
二月。
如月(きさらぎ)。
暦の上では初春ということを自分に言い聞かせ、寒さもホッカイロでごまかしてみる。
さていつものことながら、今回も飲み屋で話すような本当にたわいもない話。
実際、みなさんはどうなのかも気になったので綴ってみたいと思う。
それではどうぞ。
「バランス。」
『バランス』。
ワタクシ道草が好きな言葉。世の中バランスですべてが出来上がっているのではないかと思っているくらいだ。ピサの斜塔を筆頭に、やじろべい、カレールーとライス、麺とスープ、何をとってもバランスが肝。
健康バランスや食事バランスなどとよく耳にするが、今回はそのバランスはひとまず置いておいて好みのほうの話をしたい。
「トンカツとハムカツ。」
トンカツはお好きですか?
ハムカツはお好きですか?
これらの”バランス”を計るとしたら、肉と衣の割合ではなかろうか。最近サービスなのかインパクトなのか、やけに分厚いモノを目にする機会が増えた。友人とその話になり、彼は分厚ければ分厚いほど旨いという。もうひとりの友人は、分厚いのはもはやトンカツでもハムカツでもなく、豚肉でありハムだという。
これは興味深い話になってきた!
どちらの話も理解できるし気持ちもわかる。ただ筆者の好みとしては後者。どこが厚さの分岐点かは食べてみないとわからないが、トンカツでいられる厚さ、ハムカツでいられる厚さは、やはバランスが影響してくると思われる。厚すぎるとちょっと衣のついた肉になってしまうし、いわゆる<トンカツ>であり<ハムカツ>となり、肉が溢れカツが弱体化してしまう。逆に、少なすぎると駄菓子のビックカツのようにほぼ衣になって、店で出したらクレームにまで発展しそうだ。
「変なこだわり。」
厚かろうと薄かろうと肉は肉。
ポークソテーやステーキなら分厚いほうがテンションは上がる。それなのに。カツと言われた時点から好みが生まれ、料理によってやはりバランスは重要ではないかという考えが浮かぶ。角煮といわれて肉が小さければ大和煮みたいになってしまうし、しゃぶしゃぶなら肉が厚いとしゃぶしゃぶ感が損なわれてしまう。
あ~嫌だ嫌だ、変なこだわりを持ったやつ。
どうせだったら「肉は分厚いほうがいい!」って言い切れる、おおらかでシンプルな人に憧れてしまう。
我ながら、あ〜ヤダヤダ。。。
「まとめ。」
こんなくだらない話を、50近いおじさん3人が車の中で語り合う。お酒は一滴も入っていない。なんて幸せなことだろう。
先日、『ラストベガス』(2013)という映画を観た。
マイケル・ダグラスに、ロバート・デニーロ。
ケヴィン・クラインに、モーガン・フリーマン。
主役級の名俳優たち4人が繰り広げるハッピーおじさんコメディ映画。
おじさんにしか出せない色がある。
それではまた来週!