第五十四話 あれ、いる?

第五十四話 あれ、いる?


すっかり秋めいてきた。
暑いのが苦手なくせに、涼しくなってくると寂しさが付き纏うのはなぜだろう。
いや、そんなもんか。

さてさて今週の『じろうの道草』は、先日観たCMにまつわるお話。
それではどうぞ。



「CM。」

「ピクルスは家族の間をリレーしていく。きっと、今日も何処かで。」
このセリフを聞いて、ピンとくる人いらっしゃるかしら?

先日、『ピクルスのリレー』というマクドナルドのCMを観た。
母役が、風吹ジュン。娘役が、尾野真千子。子役はちょっとわからない。この3人のとある夏の物語。

縁側でハンバーガーを食べるお母さんとその娘。「食べてあげようか、ピクルス」と昔はよく食べてあげてた思い出を語るお母さん。「何歳だと思ってるの~」とうれしそうに答える娘。そんなやりとりの間に昼寝から目覚める孫娘。一緒にハンバーガーを食べると、おばあちゃんに「食べて~」とピクルスをあげる。ただこれだけのストーリー。

こういう夏の思い出ってなんか儚くてイイんだよなと、ずっとアタマから離れない。
井上陽水<少年時代>のどストレートなBGMも、さらに輪をかけて印象深くさせてくる。きっと今のキッズたちが見てもそんなに響かないのだろうなと思いつつ、コラムに書いているということはどうしても誰かに伝えたかったのだろう。

過去、感動CMはたくさんある。
日本生命(曲 小田和正)では涙したし、銀のさら『母と子』なんかも刺さりまくった。世界中が感動した<タイのCM3本>も外せない。

はい。センチな話はこれくらい。
ここからは、いつものくだらない妄想だ!



「あの問題。」

実のところ、ボクは小さい頃からマクドナルドのピクルスが大好きだった。ただ、苦手なのもわからなくもない。
そんなものって確かほかにもあったよなと、ふと思いついたのがあのお弁当だ。

タイトルにもある『あれ、いる?』と言えば、崎陽軒の焼売弁当に入っているあの”あんず”問題。
お弁当中央に鎮座するあの”あんず”は、賛否が二分する。いる、いらないもさることながら、どういったポジションなのかという議論にまで発展しているのだ。<デザート>なのか、<口直し>なのか、、、答えは出るはずもない。『遊びのあるお弁当』として、好きなように食べればいいという作り手側からのメッセージ。以前テレビで崎陽軒の社長おすすめの食べ方として、あのちょっとパサパサした鮪の照り焼きを箸でしっかりほぐしてふりかけのようにしてご飯と食べると美味しいと、紹介していたぐらいだから間違いない。これがまた美味い!(実施済み)

ああだこうだ書いたが、結局のところ、あんずがないと困ってしまう筆者である。



「もうひとつ。」

ここで真打ち登場。
『あれ、いる?』で、真っ先に上がるのが”酢豚のパイナップル”ではないだろうか。

この料理、遡ること400年前に中国で生まれた歴史ある立派なもの。日本人にとって料理に果物って馴染まない感は否めないが、食文化に思慮深い中国であれば納得せざる得ない。しかも当時、超高級食材(90万円/1個 現在換算)のパイナップルを使って脂っこい酢豚をさっぱりさせるなんて、食べる方も作る方も味への探究心が凄すぎる。

肉を柔らかくする働きがあるなんて言われているが、生のパイナップルを使用し、さらに60度以下の加熱で若干効果を発揮。加熱処理された缶詰では意味がないらしい。すべては、”味”のためだったのだ。

ここまで書いてなんだが、やっぱりボクは酢豚のパイナップルが大好きだ。
パイナップル入りのピザやハンバーガーがメニューにあると、どうしてもオーダーしてしまう。

あの甘くてしょっぱいのがたまらない。



「まとめ。」

話が飛びまくってしまりはないが、お伝えしたいことは好きとか嫌いとかいるとかいらないとか、白黒はっきりさせたいわけではないということ。

変な固定概念がなくなっていくのも、大人。
一層頑固になっていくのも、これまた大人。

なれるかどうかわからないけど、できれば前者のような大人でありたいと常日頃願っている。
好奇心に溢れ、くだらないことも大好きな洒落の利いた大人。
まさにグッドオールドボーイの根幹だし、そんな大人になりたい。

さて、今日はシュウマイ弁当かハワイアンバーガーか、どちらにしようか迷ってしまう。

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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