第三話 ペヤング ソース焼きそば
『日曜のワンマンコラム』などと謳ってしまってる手前、今回はラジオばりにライトに、たわいもない話をしよう。共感などまったく望まない、あくまでボク目線の一方通行。
お題は『ペヤング ソース焼きそば』(以下、『ペヤング』)こんな堂々と語っていい日がくるとは、なんとも感慨深い。
3月13日といったら『ペヤングソース焼きそばの日』であることは周知のこと。
46年前の1975年のこの日に誕生したことから、勝手に記念日設定がされている。
小さい頃から、小腹が減ったらなにかと食べてきた『ペヤング』。
カップ麺なら「カップヌードル」。即席麺なら「サッポロ一番」ってとこか。「中華三昧」の麺に衝撃を受けたことも忘れてはいない。
中でもこの『ペヤング』の存在たるや、”凄い”を超えて、”尊敬”に値するのである。
「定番の称号」
今も昔も愛され続けて食されて、いまではユーチューバーの御用達『ペヤング』。
シェアNo.1 日清食品「U.F.O.」、マヨビームでおなじみの明星食品「一平ちゃん」、東洋水産「マルちゃん ごつ盛り」など、そうそうたるメンバーを差しおいて、世代をまたぎ ”定番”というポジションに君臨しているという事実。
好みはひとまず置いて、次へいこう。
「味の話をしよう!」
上記の大手食品会社などは、焼きそば界の頂点になろうと、莫大な費用と労力をかけて、味の研究に研究を重ねていることだろう。売上だけみれば「U.F.O.」が圧倒的ではあるが、某調査結果によれば人気は「ペヤング」が上回る。味だけでいえば、『ペヤング』より旨い焼きそばは、いくらでもあることは予想できる。にも関わらず、なぜ人の心をつかむのか。
「ペヤング」の特徴というと、あっさりとした特徴的なソースの味にスパイスを効かせたシンプルなもの。麺は香ばしいもののさっぱり系であって、インパクトはない。
ただ、どこか懐かしさを感じる味。駄菓子を彷彿とさせる”チープの妙”。B級ならではのクセになる”雑多な味”。
美味しすぎても、不味すぎてもダメ。定番になるには、万人受けする味の中に奥ゆかしい”クセ”がなければ、脳に刻まれることはない。いくら昔から食してきたとはいえ、いまだに<思い出スパイス>が発動するということは、相当な”クセ者”なのである。
「豪傑っぷり!」
それと忘れてはいけない事実として、そもそも”ソース焼きそば”ではないということ。焼いてもいない麺にソースを絡めただけのものを、堂々と”焼きそば”と銘打つ、英雄豪傑っぷり。
なかなかできることではない!
まあこれは各社商品にいえることだが、『ペヤング』もまたそのひとり。
「黒歴史からの復活!」
数年前の異物混入により、世の中から『ペヤング』が消えた。品質管理もしっかりしていたのに、とんでもない確率で発生してしまったことではあるが、食品会社としては致命的な痛手。それでも半年足らずで復活できたのは、<みんなに愛されている>が故の証明。
前代未聞の復活劇に、感動すら覚えたものだ。
「まとめ。」
ここまでくると、『ペヤング』=ソース焼きそばとは言いたくない。
ボクにとって『ペヤング』は、もはや味の一種に分類されているのである。
居てあたりまえなのに愛されキャラで、
懐かしさを漂わせつつ、奥ゆかしいクセもあり、
細かいことを気にしない、図太い神経も持ち合わせ、
ちょっとやそっとの困難にも挫けない。
ボクは、『ペヤング』のような人間になりたい。
追記
ここまで綴っていうのもなんだが、筆者が『ペヤング』を食するのはせいぜい年に2回がいいところ。あくまで『ペヤング』の存在に惚れて、憧れを持っているひとりなのだ。