ボクのメシ

いもや@馬喰町『とんかつ定食』

#018
本サイト主宰
和田宗明
とんかつ定食

昭和34年創業、神保町『いもや』。
目の前で揚げる、旨い天丼やとんかつを気取ることなく食べれる老舗店。2018年、閉店してしまった。最後は『いもや』を惜しむ人たちが連日大行列を作り、各社メディアも取り上げた。いちお店が閉まるだけでニュースになるなんて、池袋『大勝軒』か『いもや』か、それだけ広く永く愛された大衆店だったということなのだろう。

前置きはこれくらいにして。
初めてこのお店を訪れたのは30年近く前、父に連れられてきたのがきっかけだ。父は学生時代から通っていたようで、息子のボクにも食べさせたかったのだろう。療養中、最後に食べておきたいお店リストにも『いもや』は入っていたが、閉店してしまったことを告げると残念がっていたことを思い出す。

ボクにとって思い入れのあるお店なのだが、そんな『いもや』に先日、再会してしまったのだ。

神保町『いもや』を彷彿とさせる、雰囲気ある入口

取引先のデザイナーさんとの連日の打ち合わせ。ランチでもしましょうと、地元の人がよく行くお店をリクエストしたところがなんと『とんかつ いもや』だったのだ。名前が一緒だけかと思いきや、何十年も神保町『いもや』で働いていたご夫婦が営む暖簾分けのお店。

路地裏にあり店内はカウンターのみで、店主が目の前で揚げるスタイル。規模は小さいものの神保町『いもや』の雰囲気そのままに。メニューは<とんかつ定食><ヒレカツ定食><エビフライ定食>のみ。トッピングで<あじフライ><エビフライ>と書かれている。この無骨な感じもたまらない。順番待ちをしている横で、品のいい丸メガネをかけた紳士が何度も読んでいるであろうくたった小説を読んで待つ、こなれた姿も印象的だった。

ボクは<とんかつ定食>に、<あじフライ>をトッピング。これぞとんかつ。荒めのパン粉にでかくて厚い肉。しじみの味噌汁、ご飯、キャベツもたっぷり、卓上のおしんこも箸休めにちょうど良い。これでなんと900円。大衆の味方健在だ!あじフライもふっくら。これ以上の説明はいるのであろうか、とにかく旨いのだ!

「カキフライもつけて~!」
おもむろに常連さんがメニューに載ってないものを注文。
そんなのあるの知らんかった~
時すでに遅し、次回は必ず常連ぶって頼んでやると心を決めて店をあとにした。

路地裏にひっそり佇む名店の雰囲気
大衆に愛された『とんかつ定食』

『とんかつ定食』 ¥900
『あじフライ』(トッピング) ¥200

ちなみに
『ヒレかつ定食』 ¥1100
『エビフライ定食』 ¥1000
『エビフライ』(トッピング) ¥200

SHOP INFO

いもや
東京都千代田区東神田1-14-6
03-3861-9454

OPEN:
月~土  11:00~15:00

CLOSE:
日曜日・祝日
営業時間・定休日は変更となる場合がございます。

※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

ボクのINFO

和田宗明
大学でファッションを学び、某インポートブランド勤務を経て、広告ディレクターとして独立。
女性ファッション誌『FUDGE』のプロデューサーを兼任。その後『FUDGE』/『mensFUDGE』両誌の編集長を務める。
現在、本サイト『Good Old Boy/グッドオールドボーイ』の主宰。
ミスター・アウル イメージ
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