レーヴ・ド・ゴス  /  Reve de Gosse
ボクのヒト
#017
『ガキの夢のように...
いつまでも好奇心を持ち続けること』

レーヴ・ド・ゴス / Reve de Gosse

Q. 年齢
57歳
Q. 職業
洋服屋『Revedegosse』
オーナー
Q. 必需品
『十字架のネックレス』
宗教や家族的なことから肌身離さず身につけている大切なもの。

どんな大人になりたい?

子供と大人の位置づけはないよ。
だから答えられないな。

もし魔法が使えたらどうする?

既に使ってるよ(笑)
マジックとはイメージ。イメージの中にマジックがある。いま自分のしているクリエイト自体がマジックなのさ。

タイムスリップできるなら、どの時代へ、何をする?

今の時代かな。
ノスタルジアに浸ることはないし、過去に戻りたいとも思っていない。僕は過去を経由した未来に興味があるから、そこに境界線はないよ。『時(とき)』は、過去・現在・未来と区切るものではなくて巡るものでしょ。だから僕にとって時間は円形なんだ(笑)過去の服からインスピレーションを得て、今この時に未来の服を創造する。例え18世紀に作られたのこの服が素晴らしくて好きでも、その時代に行きたいとは思わないな。

あなたにとって女性ってどんな存在?

『人』という認識をしているから、女性と男性の区別はない。違いを感じるとしたら、トイレに行ったときだけだね(笑)

最近、感動した出来事は?

息子がシチリアの羊飼いの映画の話をしてくれたのが最近の感動かな。シチリアの羊飼いは、必要以上のことについてはしゃべらない。例え問題が起きたとしても、寡黙をつらぬき仲間同志かばいあうんだ。

休日の過ごし方?

休日もバカンスもないよ。

いまの悩みは?

解決策を導きだすための葛藤はあるけど、悩みはない。僕が考える世界観をクリエイトして形にするためには、一人でやることが大切なんだ。だからプロや職人達に、専門的な仕事のお願いをする事はあっても、他の人を介入させることはしない。自分が求める世界と違うものになってしまうからね。

自分の中の強みって何?

情熱=Passion

好きな言葉は?

rêve(レーヴ)= 夢

好きな映画は?

スタンリー・キューブリックの『BARRY LYNDON(バリー・リンドン)』
父と息子のストーリーさ。

あなたの一曲は?

一昨年この世を去った "Christophe(クリストフ)" の『Petite fille du soleil (太陽の少女)』

100万円もらえたら何に使う?

『 金は良き僕(しもべ)にして悪しき主人(l’argent est un bon serviteur et  un mauvais maitre)』という諺(ことわざ)があるからね。社会や人のために使うよ。

最後の晩餐に何食べる?

羊のコートレット(骨つき背肉)かな。

あなたの誇れることはなに?

子供たち。
この質問には、みんなそう言うだろうね。

あなたが思う、GOB(Good Old Boy)とは?

僕の解釈では『Good Young boy』で、"Old" とは言わないな(笑)"Reve de Gosse(ガキの夢)" のように、いつまでも好奇心を持ち続けるってことだね。

@revedegosse

編集後記

マレ地区に行くたびに気になっていた、1926年創業のアンティーク・テーラーのお店がある。ボロボロでいつも閉まっていたのだが、あるときお店の風貌が少し変わっていることに気づき近づいてみると、テーラーのお店が生まれ変わっていた。

エスプリは以前と同じくアンティーク。
このお店の現在のオーナー " Emanuel(エマニュエル)" が、今回紹介した彼。本名は" Emanuel(エマニュエル)" というのだが、誰もが "レーヴ" と呼ぶのだという。

『僕の苗字は "de Gosse(ガキの)” 名前が " Reve(夢)" 』そう言い切るので、その名前で紹介することにした。

懐古主義な私と同じ匂いを感じていたが、実際に話しをしてみると『今の時代が大好きだ。懐古主義なんかじゃないさ』と、意外にも温故知新な男だった。

ひいお婆さんが、画家のルノワールに自画像を描いてもらったというから、育ちの良い生粋のパリジャンなのだろう。店に飾られた昔のセピアな写真を見ても優雅&優美さを感じる。『歴史を語るものが好き』 と、洋服はあくまでその内のひとつなのだそう。

お店に並ぶ洋服は、2つのコンセプトによって品揃えていて、長い年月を経たアンティークものと、古い生地を使ってつくられたもの。そのほか、プロの画家にゴッホ・マティス・ピカソなどを描いてもらった一品ものなども展開している。

いま大きく変わりつつあるパリの街。
古いお店を買い取った新しいオーナー達は、モダンな建物を改装して全く違うものにしてしまうことが多いのだが、『レーヴ・ド・ゴス(エマニュエル)』は、過去の空気を壊さないように大事に生かしつつも、未来に向かって新しいクリエイトを試みている。

話すほど "味のある男" で、どんどん惹かれていく自分に気づく。
吸い込まれそうな綺麗な目をした Good,Old-Boyは、これからも『ガキの夢』を追い続けていくことだろう。
ミスター・アウル イメージ

パリのヒト

撮影:吉田タイスケ
写真家、フランス在住。ライフスタイルを中心に、主にエディトリアル 分野で活動中。
犬猫と現代アートが好き。著書に吉田パンダ名義で「いぬパリ」 (CCC メディアハウス)。 長年住んだパリを離れ、三年前からノルマンディー地方で田舎暮らしを始めている。
趣味はキャンプとピアノ。愛車はフォルクスワーゲンT3ヴァナゴン1986。


編集:横島朋子
パリ在住ジャーナリスト&コーディネーター
ガイドブック、ファッション雑誌、タレント本、TVなど多岐に渡り活動。

Instagram
@tomokoyokoshima
@presse_parisienne
ミスター・アウル イメージ
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ボクのヒト

																		  歳を重ねないと、出せない格好良さがある。
																		  シブさ、洒落っけ、奥深さ。
																		  まるで珈琲のようだけど、どう生きてきたかをあらわす無二の表情。
																		 『ボクのヒト』は、人生の物語りなのである!