ロジャー・ルン / Roger Lunn
ボクのヒト
#014
『前に進むことが大事だよね。』

ロジャー・ルン /
Roger Lunn

Q. 年齢
75歳
Q. 職業
アートディレクター
現在は地域ガイドとして活動中
Q. 必需品
AVFバッジ
父の形見のAVFバッジ。
元々は戦時中のフランスのレジスタンス運動に向けたチャリティーのもので、父もこの運動に関わっていたという。これをつけ忘れた日は、どこか心許ない感じで焦っちゃうんだよ。

どんな大人になりたい?

今と変わらず地域ガイドとして忙しく生活していたいね。

もし魔法が使えたらどうする?

世界中の人々が平等に暮らせること、地球を守ること。環境的にね。

タイムスリップできるなら、どの時代へ、何をする?

1930年代後半のロンドン。父親から聞いていたストーリーなんかを、昔からいろいろ想像していたから、実際にこの目で見てみたいなあ。

あなたにとって女性ってどんな存在?

女性はいいよね。一番古い親友は昔の恋人なんだ。(昔の妻を除いてね、彼女はアメリカ人なんだ。)

最近、感動した出来事は?

今現在ウクライナで起きていること。悲しいよね。

休日の過ごし方?

キングスクロスを歩き廻ってロンドン探索をしたり、友達と落ち合って時間を過ごしている。女性とのデートをする時は家に留まる派だけどね。

いまの悩みは?

若者がスマートホンに頼りすぎていること。

自分の中の強みって何?

古い物事への知識と愛情があること。だから、急速に発展が進むキングスクロスでの地域ガイドは俺にぴったりなんだ。

好きな言葉は?

「まあいっか」。
前に進むことが大事だよね。

好きな映画は?

マイケル・パウエル ・エメリック・プレスバーガー監督 / 『天国への階段』(1945年)

あなたの一曲は?

"Your Song" by Elton John。
オリジナリティに溢れるアルバムに入っていた曲で今でも好きなんだ。

100万円もらえたら何に使う?

友人50人を集めて誕生日パーティーを開く。今年、記念すべき75歳になるから大々的に祝いたいね。

最後の晩餐に何食べる?

紫やイエローなんかの色をしたヘリテージキャロットを生で。そのままもしくはタラマサラータにディップして。とにかくニンジンが大好きなんだよ。

あなたの誇れることはなに?

身体障害を持つ息子のことを誇りに思うよ。新しいことを学ぶのが難しいっていう脳の障害なんだけど、彼は手話でコミュニケーションをすることができるようになったんだ。本当に素晴らしいと思うよ。

あなたが思う、GOB(Good Old Boy)とは?

全ての人を尊敬する、マナーを正しく、意見を持ち、見識が高い人。

編集後記

60年代にロンドンの有名アートカレッジに通い、当時盛んだった学生運動にも参加したと、自身の歴史を誇らしげに語ってくれたロジャーさん。卒業後は映画製作の道を選び、アートディレクションやスタイリング、台本の執筆にも関わり、現場がデジタルに移行したことをきっかけに興味を失って映画の世界から身を引いたのだそう。映画製作の現場だけでなく、ロンドンの急速な発展を体感してきた彼。その生涯のほとんどを、今回の撮影場所であるキングスクロスを拠点に過ごしてきた。「このエリアは戦時中には爆弾多く落とされたと言われていて、90年代には娼婦が行き交うような場所でもあった。それが、過去15年で信じられないスピードで発展して今ではこんなにモダンな風情になってしまったよ!」。キングスクロスの発展を嘆きつつも、変わり行くこの街を見守るのがお好きなようで、退職後は地域ガイドとして活動を開始。撮影道中もエリアの歴史やトリビアをたくさん披露してくれ、この街への愛情がたっぷり感じることができた。建造中のグーグルの巨大ビルの完成を控え、また大きな変化が訪れそうなこのエリア。それでも変わらずロジャーさんにはガイドを続けて欲しいなぁ、と願ってやまない編集なのであった。
ミスター・アウル イメージ

ロンドンのヒト

撮影・編集:柳田愛子
ロンドン在住フォトグラファー&ジャーナリスト
オンラインのコーヒービジネスを経営する傍ら、ファッション&カルチャー誌向けに写真撮影&執筆活動を行っている。

Instagram
@aikoyanagida
@therightroast
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ボクのヒト

																		  歳を重ねないと、出せない格好良さがある。
																		  シブさ、洒落っけ、奥深さ。
																		  まるで珈琲のようだけど、どう生きてきたかをあらわす無二の表情。
																		 『ボクのヒト』は、人生の物語りなのである!