フレデリック・ボーシャン
ボクのヒト
#001
『レンブラントと一緒に酒を飲み交わしてみたいね。』

フレデリック・ボーシャン

Q. 年齢
50歳
Q. 職業
アーティスト
Q. 職業(過去)
アニメーションの色職人
Q. 既婚者or独身
既婚(事実婚) 7歳の息子
Q. 必需品
帽子
帽子

どんな大人になりたい?

家族との時間を大切に、家族への想いを最大限に。そして、好奇心たっぷりに学び続けるような男。

もし魔法が使えたらどうする?

テレポーテーションを持つ能力ほしい。指をパチンって鳴らしたら自分の好きなところに行けるなんて、楽しいだろうな~。

タイムスリップできるなら、どの時代へ、何をする?

1650年のアムステルダムに。
偉大な画家のレンブラントと一緒に酒を飲み交わしてみたいね。

あなたにとって女性ってどんな存在?

僕一人では歩まないであろう、思いがけない道に導いてくれるビーナスであって、優しくも心強く守ってくれる魂のようなもの。

エヴァ・ガードナー
ルイーズ・ブルックス
マリリン・モンロー
ジーン・ティアニー
クラウディア・カルディナーレ
ソフィア・ローレン
…..のような女優たちの気高い美貌も、女性としての存在感を与えてくれるんだ。

フレデリック・ボーシャン

最近、感動した出来事は?

最近出合った、フランスの写真家のジルベール・ガルサンのモンタージュ写真がすごかった。シュールで詩的で哲学的な作品に仕上がっている仕掛けが、僕の興味をそそるんだ。
砂や石といったシンプルな素材を使った小さな劇場のワンシーン作って、そこに彼自身のミニチュア人形を切り取ってはめ込む、といったもの。
60歳で退職してからカメラで撮影を始めたという経緯にも共感するし、熟男ならではの人生や過ぎ去る時間を反映させた作品は、僕に大きな刺激を与えてくれた。
http://www.gilbert-garcin.com/

休日の過ごし方?

僕の頭の中には「いつか行ってみたい場所」というものがあって、その多くは実現したとはいえ、まだまだ行きたい場所はたくさんある。バカンス大国のフランスだからね。夢は尽きないよ。
逆に、日々の週末のちょっとした休日は、計画性のない気まぐれな過ごし方というのが通常。とっさに「これをしたい!」と思ったことで行動する、といったところだろうか。

いまの悩みは?

多くの問題を抱えた社会の中に僕はいるけれど、これから息子が成長していく今後の社会のありかたかな。

自分の中の強みって何?

いま自分が全身全霊で取り組んでいるクリエーション。
そこにはコツコツと作業を続ける忍耐と緻密さを求められるけれど、他人が模倣するには大変難しいと思われる独自性と特異性を持った仕事だと強く思っている。
アニメーションの色職人として働いて25年が経って、アーティストとして一本立ちする時が来たんだ。それが、今だと思っている。

好きな言葉は?

神秘

フレデリック・ボーシャン

好きな映画は?

僕は子供の頃からずっと映画オタクで、当時、パリ郊外から長時間かけて、パリのカルチェラタンの名画座でのシネマ・フェスティバルに行ったことも思い出す。今も映画への情熱は変わらない。

好きな映画を1本選ぶのはとても難しいけれども、強いていえば、フェデリコ・フェリーニの『フェリーニのアマルコルド』で、続いてイングマール・ベルイマンの『不良少女モニカ』、ビリー・ワイルダーの『お熱いのがお好き』は、いつも心に留まっている映画だろう。

あなたの一曲は?

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのI Put a Spell on You(私はあなたに魔法をかけます)。僕はピアノも大好きで、ジャジーなアクセントのあるベートーベンのピアノソナタ32番と最後のソナタ、op111も好きな一曲。

100万円もらえたら何に使う?

家族3人で行きたいのが日本の佐渡島。
理由は、やはり映画かな。僕の好きな五社英雄監督の『御用金』が撮影された場所と知ったら行きたい衝動に駆られて……….。
感動した撮影現場に行くというアイデアも悪くない、かな!? 。
あと、少しお金が残ったら、自分の作品集を完成させる費用に。

最後の晩餐に何食べる?

僕の最後の食事となると、最後の最後までそのテーブルを楽しむために、メニュー選びもじっくり時間をかけたい。とはいえ、今が最後の晩餐としたら、前菜には帆立貝、メインはリブステーキにグラタン・ドーフィノワ(ジャガイモのグラタン)、チーズはサン・ネクテール、デザートはパリ・ブレスト。ワインはブルゴーニュのシャンボール・ミュジニーのできればグラン・クリュを。そして、最後の一口の後に待っているものは…….ミステリーということで。

あなたの誇れることはなに?

息子

あなたが思う、GOB(Good Old Boy)とは?

見かけはシワが増えて髪も少なくなった成熟したGYB(Good Young Boy)。
彼は、人生において、多くのことにチャレンジをし、成功もすれば失敗もしてきた。自分のことを熟知した上で、いま、葛藤よりも落ち着きを求めている。それは、愛する家族と過ごす時間であり、自身の心をつかむプロジェクトに取り組むことだろう。

フレデリック・ボーシャン SNS情報

Instagram ▶ fredericbeauchamp.art

取材後記

アニメーションの仕事をしていたのは過去の事、と言わんばかりに、自分の職業を「アーティストです」ときっぱり言い切ったフレデリック。その時の目ヂカラの強さから、投げられた矢の行き先への確信と作品への愛が伝わってきた。
さ~、どんな作品を披露してくれるのか、この背の高い男のアトリエに行ってみると、なんとそこには、ミクロレベルかと思われるような土や石や植物だけでなく、小さな哺乳類の骨だったり、鳥の毛だったり……..素材毎にしっかり整理されていた。それらはすべて、山などの自然の中で自分自身で探してきたものばかり。それを材料に、バレリーナが踊る舞台とか合唱隊が歌っているシーンとか、なんだか見た瞬間、誰もが笑みを浮かべるようなほっくりとしたミニチュアの世界を創造していたのだ!
男の大きな手がミニチュアの世界を作り上げる光景は凄みを覚えるほど、目と指先がくっつくかのレベルの作業だ。緊迫感たっぷりのアトリエを出てサロンに行くと、今度は、棚にいっぱい並ぶ本からあれこれ写真集を取り出し、好きな写真家について熱くも嬉しそうに語る姿が。
Good Old Boyというだけに、50にして少年のようなパッションを持ったフレデリック…….かっこいいな~!!!
ミスター・アウル

パリのヒト

撮影:吉田タイスケ
写真家、フランス在住。ライフスタイルを中心に、主にエディトリアル分野で活動中。
犬猫と現代アートが好き。著書に吉田パンダ名義で「いぬパリ」(CCC メディアハウス)。
長年住んだパリを離れ、三年前からノルマンディー地方で田舎暮らしを始めている。
趣味はキャンプとピアノ。愛車はフォルクスワーゲンT3ヴァナゴン1986。


編集:横島朋子
パリ在住ジャーナリスト&コーディネーター
ガイドブック、ファッション雑誌、タレント本、TVなど多岐に渡り活動。

Instagram
@tomokoyokoshima
@presse_parisienne
ミスター・アウル
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ボクのヒト

																		  歳を重ねないと、出せない格好良さがある。
																		  シブさ、洒落っけ、奥深さ。
																		  まるで珈琲のようだけど、どう生きてきたかをあらわす無二の表情。
																		 『ボクのヒト』は、人生の物語りなのである!