ステファン・シューフリキー
ボクのヒト
#004
『シンクロニシティを得る瞬間』

ステファン・シューフリキー

Q. 年齢
53歳
Q. 職業
本屋&ギャラリー経営
Q. 職業(過去)
繊維会社の管理職
Q. 必需品
おじいさんの形見の時計

どんな大人になりたい?

多くの経験の中で「行き詰まる」ことのないオープンマインドな大人っ ていうのがいいね。
特に若い世代に寛容であるような..........。

もし魔法が使えたらどうする?

「雨を降らせる」かな?
なぜって水は生きる上でのエッセンス。喉が渇いた人には水を、暑がっ ている人にはフレッシュ感を、植物が成長する上でも必要なものだから ね。 だから僕にとってのもっとも素敵な魔法のトリックだね。

タイムスリップできるなら、どの時代へ、何をする?

1960年代の、僕の想像力を満たす人たちに会いたいな~。

あなたにとって女性ってどんな存在?

文明が進化するために、男性に欠けているものすべてである。

最近、感動した出来事は?

日々、天気が変化することの速さ。

休日の過ごし方?

ない!何もない!
ここ数年といったら年末もバカンスも、まるで平日と変わらないよ。
多くの活動と仕事、そして喜びがあれば、気持ちは休日と一緒さ。

いまの悩みは?

身近な人、そうでない人も含めて、予期せずに消えていく(行方不明 or 逝く)こと。

自分の中の強みって何?

人の話しに耳を傾けることができること(と、きっぱり!)

好きな言葉は?

シンクロニシティ/Synchronicité
僕は意外なことが起こった時に、偶然とかまぐれではなく、「シンクロ ニシティ」の現象だなって思うんだ。 究極のところ、その人の経験と取り巻くものとの間に起こりうる出来事 で、その人の心が開かれた瞬間、過去と現在の間に生じる現象ではない かな、と。
時々そういう心が開かれることがあって、それによってシンクロニシテ ィを得る瞬間がすごく魅力的で、今、僕の中で旬な言葉なんだよね。

好きな映画は?

リドリー・スコットの『ブレードランナー』 1980年に、この先決して遠くはない未来をこの映画は表現し、しか も、自分は動くこともなく、人と人間関係を感じさせる旅に導いてくれ るんだよ。

あなたの一曲は?

真夜中のサウンド。
マイルス・デイビス、デクスター・ゴードン、またはミュージシャンに よるジャズ............。

100万円もらえたら何に使う?

パッションを傾けている、この店のリニューアルに使うね!

最後の晩餐に何食べる?

できたての美味しいパン。

あなたの誇れることはなに?

いつもいつも、何かを発見したいと思う気持ち。

あなたが思う、GOB(Good Old Boy)とは?

GOBがどういうものであるかがわかった時に、きっと大きな喜びを感 じるんじゃないかな。

Instagram : librairiegalerielouisrozen

web site : librairiegalerielouisrozen

編集後記

ローマ時代の遺跡が遺るパリでも最も古い地区カルチェラタン。
17世紀に作られた植物園やモスク、市場通りで有名なムフタール通り、ほかソルボンヌを筆頭とする大学がたくさんあり、出版社なども多い「頭脳地区」であるのも特徴。 その界隈を散策していると、レンガ造りに緑が生い茂ったギャラリーのような素敵な店に出会った。ガラス戸越しに店内を覗いてみると 「GOB」が香るではないか!

彼の名前はステファン。 なのに彼が創業した店の名前は『ルイ・ロゼン』という。「どうして?」「僕のおじいさんの名前を付けたんだ。子供ながらに憧れの人。 僕が毎日身につけている時計もおじいさんの形見さ。店に彼の名前をつけることで、存在感を意識することができるんだ」と。家族への思いの 強いフランス人は確かに多い。人との絆を大切にする文化がここにはある。

クリエイティブな分野の書籍やポスターが所狭しと陳列するなか、ことさら彼のパッションが伝わるのはアールヌーヴォー調のポスターだ。 60年代のサンフランシスコのコンサート会場「フィルモア」のものが 大半で、アメリカにアート本やポスターを探しに行った際に偶然目に付き、コレクターと知り合い、出会いを重ねて在庫の数が膨れ上がったとか。その出会いや人から語られるストーリーが面白くて、たまらなく好きになったと厚く語るステファンは「出会いは最高の賜物」だという。

取材中、とにかくすごい勢いで話し続けるステファンのパッションを我々はしっかり受け取った。
ミスター・アウル

パリのヒト

撮影:吉田タイスケ
写真家、フランス在住。ライフスタイルを中心に、主にエディトリアル 分野で活動中。
犬猫と現代アートが好き。著書に吉田パンダ名義で「いぬパリ」 (CCC メディアハウス)。 長年住んだパリを離れ、三年前からノルマンディー地方で田舎暮らしを始めている。
趣味はキャンプとピアノ。愛車はフォルクスワーゲンT3ヴァナゴン1986。


編集:横島朋子
パリ在住ジャーナリスト&コーディネーター
ガイドブック、ファッション雑誌、タレント本、TVなど多岐に渡り活動。

Instagram
@tomokoyokoshima
@presse_parisienne
ミスター・アウル
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ボクのヒト

																		  歳を重ねないと、出せない格好良さがある。
																		  シブさ、洒落っけ、奥深さ。
																		  まるで珈琲のようだけど、どう生きてきたかをあらわす無二の表情。
																		 『ボクのヒト』は、人生の物語りなのである!