第二百二十五話 思わぬ贈りもの

第二百二十五話 思わぬ贈りもの


毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。

今回は、ちょっとした贈りものの話。

それではどうぞ。



「BUTTER。」

仰々しいサプライズもいいけど、思わぬ贈りものほど嬉しかったりもする。
記憶に残っているものといえば<天下一品>のラーメン。食べていくうちにどんぶりの中から「明日もお待ちしてます。」の文字が見えてくる。「こんな濃いラーメン2日連チャンで食べれないよー」なんて思いながらも、発見した喜びなのかどこかに余韻を残していく。こんなぐらいの贈りもの。

先日、本屋に行き文庫コーナーを探っていると、おもしろアピールが強烈なタイトルも気になる1冊の本。いろいろ見てもアタマから離れない。どうしても気になり結局買うことにしたのが、『BUTTER/バター』(柚木麻子著)。

イギリスで日本人初の3冠達成!』だの、『全世界累計100万部突破!』なんて言われちゃうと無視できない。いったいどんな作品がイギリスで3冠できて100万部も売れるのか、逆の思考とはいえ編集者の思惑にまんまと乗っけられてしまった。文庫本でもかなりの厚みがあり、長いこと楽しめそうなのが安心材料。

半分ぐらい(およそ300ページ)読み終えたとこで、本屋デフォのベージュのブックカバーが捲れてしまった。かけ直そうとしたとき、ふっと帯の文字が目に入ってくる。「日英リバーシブルカバー カバーを裏返すとイギリス版の表紙が!」なんてことが書いてある。なんの気なしに裏返すと、それはそれは唸ってしまうほどに、ポップで、キャッチーで、とにかく可愛い。日本版もとても素敵なのだが、イギリス版のインパクトが強すぎる。表紙の裏パターンは数あれど、これほどギャップと衝撃を感じたことはない。

こんなとこまで楽しませてくれる、ちょっとした贈りもの



「まとめ。」

きっと話題になった本なのだろう
テレビも見ないし、世間の情報に疎くなっているのを感じざる得ない。みなさまご存知「誰々と誰々が結婚!」とか言われても、どっちも知らないから何にも思うことはない。

とにかく『BUTTER/バター』がおもしろすぎて、降りなきゃいけない駅を乗り過ごすこともたびたび。

休日、のんびり読書とかしたいな
それではまた来週!

    ボクの話

    道草次郎 物書き
    執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
    本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
    素性は如何に。
    ミスター・アウル
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