第二百十八話 アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
いよいよ秋がやってまいりました。
食欲の秋ということで、”食”をテーマにたわいもないことを綴ってみようと思う。
それではどうぞ。
「記憶。」
学生時代、日本料理店のキッチンでバイトをしていたことがある。包丁が使える程度で、家庭料理となるとまだまだ見習いみたいなもの。冷蔵庫の食材でパパッと思いつくものを作ることができるだけで羨望の眼差し。そんなひよっこがよく作るものはパスタ、圧倒的な頻度で登場する。当初はナポリタンとミートソースばっかり。ところが、第百八十九話『イイオトコ』に出てくるフィレンツェにレストランを構えるシェフのYouTubeチャンネル『Buondi Toshi』を観るようになって、生意気にも見よう見マネでいろんなメニューを試すようになった。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
響きもゴロもいいのだけれど、ただのニンニクとオリーブオイルと唐辛子。これを基本にいろんなアレンジができるようになった。アンチョビにケッパー、イタリアンパセリ、タイムなんかも揃えたりして、これだけあれば具材などなに入れたって旨くなる。ブロッコリーをソースにしたパスタなんぞも試してみたり、とにかく作ること自体が楽しい。
料理が義務になると面倒な作業と化してしまう。お弁当もそのひとつ。子どものために毎朝作らなければならないという親御さんの義務。にもかかわらず『キャラ弁』たるものが登場し、作ることを楽しもうと始めた主婦の発想の転換、生まれたムーブメント、なんとも驚かされる。そこには子どもの喜ぶ顔が付いてくる。どう考えても『キャラ弁』の方が手間も時間も掛かってしまうのに、それでもがんばって作っている主婦のみなさま方には尊敬しかございません。
子どもたちのいい思い出になってくれることでしょ~
「まとめ。」
料理は感性を刺激する。
『キャラ弁』ほど大層なものでなくとも、小さいころのお弁当の味は大人になっても残っているもの。記憶に刻み込むほどに、料理は”想像力の塊り”であり、”クリエイティブの極み”とでも申しましょうか。
飲食店をやっている友人を見る限り、お店はたくさんあれど続けていくことって難しそうだと痛感する。お店は営めないまでも、美味しいものを人にもてなすぐらいにはなりたいものだ。
タモリさんのように、なりたいだけなのかもしれない
それではまた来週!
