第百六十九話 ボクにはできない
毎週日曜日は『じろうの道草』コラムの日。
さて今週のお題は、とある朝の出来事から話は広がっていく。
それではどうぞ。
「朝のドトール」
若かりし頃、学校は遅刻するわ飛行機に乗り遅れるわ、社会人になってからもアポに間に合わないの繰り返し、とにかく時間にルーズでどれだけ失敗したことか。人は変われば変われるもので、今となっては余裕があれば1時間前に着いてコーヒーでも飲んで心の準備などに時間を費やす。
そんなある日、いつものドトールでまったり朝を過ごしていたら、いきなりズーム会議を始める男性が現われた。15人ほどお客さんのいる中、ひときわ大きな声が地下という閉鎖的な空間に響き渡る。まるで選挙の街頭演説、あまりにも興味深いので即座に人間観察スイッチON!
さすがに慣れているご様子、大きな声でしっかりと話しづらい状況を相手に感じさせることはない。逆に”あいづち”などは、頷いてはいるものの「えぇえぇ、ほうほう、はいはい」などの声は発さない。カメラに映る頷くシルエットだけで十分、声を被せず相手に話しやすくさせる上級テクニック、いわゆる”エアーあいづち”炸裂。いかにもIT関連です!みたいな人だったらちょっと鼻につくけど、見た目まったくそんな感じではなく、学者っぽくもあるし教授っぽくも見えるし、とにかく文学に精通している雰囲気のあるヒト。
一言一句、全員の耳に届いている会議は意外にも不快なものではなかった。それよりも、この空間であれだけ堂々と話せるってどれだけのメンタルの持ち主なことか。オラオラ系ならまだしも、なかなかできるものではない。頭のいい人にありがちな、基本周りのことなんて気にしないし気にならないヒトなのだろうと、いつもの勝手なプロファイリング。
そうなれれば、どれだけ楽に生きれるだろう
「まとめ。」
こっちはアリでこっちはナシ
同じことをしても、見た目や装い、細かいとこだと声質や喋り方などでも印象はガラリと変わる。そんな表面的なことがすべてじゃないのはわかっちゃいるが、どうしても受け止められないこともある。逆を返せば、「いい歳して、〇〇〇」や「そんな歳になっても、〇〇〇」なんて言われないように、せめても身なりだけは気をつけなければと思うこの頃。
あっ、こんな周りを気にしてるようでは、ズーム会議おじさんにはなれないや
それではまた来週!