第四十七話 シン・ウルトラマン
更新作業に追われる副主宰。
大きな人に会いにいくと、あながち間違いでない嘘をつき強引に渋谷の街に連れ出した。
そう。タイトルにもあるように、目的は『シン・ウルトラマン』を観るためだ。
今回は、映画の話を含め『シン・ウルトラマン』の話をしよう。
「映画。」
ボクは映画が大好きだ。
といっても、映画評論家や映画マニアほどたくさんの本数を観ているわけではない。
ゴダール、キューブリック、スパイク・リー、ウォン・カーウァイ、是枝裕和など他たくさんいるが、好きな監督の作品を追ってみることが多い。その中の一人が、エヴァンゲリオンの庵野秀明だ。彼が手掛けた『シン・ゴジラ』を観た時は、エヴァンゲリオンでの表現をゴジラでするとこんなことになるんだ~と、それこそ新解釈のゴジラの世界に驚きと幻想を抱いたのを覚えている。
人気漫画やアニメの実写化をすることは、かつての作品をみれば想像がつくことだろう。優秀な監督、スタッフ、俳優を総動員しても、なかなか上手くいっていない印象が残る。それだけ視聴者の想像力と思い入れを超えることは難しいということなのだろう。ハリウッドに渡ったゴジラにもまったく感情移入できなかったこともあったので、庵野監督の『シン・ゴジラ』は、いろんなハードルを超えた新たな境地に持っていってくれた作品だった。
「シン・ウルトラマン。」
『シン・ゴジラ』に続き、第二弾がこの『シン・ウルトラマン』。
口コミを見ると、『シン・ゴジラ』を超えるものを期待していた人たちの意見が多く、悪くはないんだけど。。。みたいなモヤモヤしたものが多い。中でも「長澤まさみの巨大化、いる?」というのも多々みられ、天邪鬼なボクはそう言われると逆に気になって仕方がない。
かつてのウルトラマンを企画・脚本から作る庵野秀明。
進撃の巨人などを手がける樋口真嗣監督。
特撮といったらこの人、尾上克朗を准監督に。
そこに、斉藤工/長澤まさみ/西島秀俊/山本耕史などの俳優陣。こんな人たちが手掛けて失敗するのだったら、誰がやったって上手くいくはずない。『シン・ゴジラ』の余韻もあり、口コミに惑わされることなく安心してスクリーンへと向き合う。
ただのCG映画とは違う、ウルトラマンの起源でもある特撮を感じさせてくれるアナログ感。オリジナルをリスペクトした描写に、現代的にオマージュした細かな表現。結果、素晴らしいの一言だった。
全体の内容は割愛するが、これだけは言わせて!
「長澤まさみの巨大化、いる?」の口コミが多いことがあったことへのアンサーなのか、今回のストーリーの原点となったテレビシリーズ(1966年)メフィラス星人が登場する話「禁じられた言葉」が、本編終了後に追加上映されていた。オリジナルを知らない世代からしたら、確かに長澤まさみが巨大化してビルを壊したりするのは違和感でしかない。うる覚えのボクですら、ちょっと笑ってしまったぐらいだ。これはウルトラ警備隊の華、フジ隊員がメフィラス星人に操られ巨大化してしまったところからきたものだとわかるはずだ。
これから観る人は、ここらも楽しんでいただきたい。
「第三弾。」
この<シン>シリーズの第三弾『シン・仮面ライダー』が、2023年3月公開が予定されている。
生誕50周年企画作品ということで、ボクらの年代のほとんどといってもいいぐらいハマった仮面ライダー。これも観にいくこと間違いないだろう。
テレビも映画も音楽も、この団塊ジュニア世代に響くコンテンツが溢れている気がしてならない今日この頃。人口が多いこともあり世の常ではあるが、当の本人たちからしたらうれしいやら悲しいやらといったところが本心ではなかろうか。もちろん郷愁を突いてくれるのはありがたい。また、これからの若者たちにこんなのがあったというコミュニケーションツールをカタチに残してくれることも感謝でしかない。だけど、いつまでも昔のことを忘れることができないおじさん達、みたいに映ってしまうのではないかと若干恥ずかしく思ってしまうところもある。
複雑な感情だ。
「まとめ。」
いろんなものが溢れかえっている幸せな時代。
数年前に大ヒットした『鬼滅の刃』『君の名は。』『アナと雪の女王』など、アニメーション文化が根付いている日本ならではというところも興味深い。韓流ドラマも見出すと止めることができないほど中毒性がある。<MARVEL>好きもたくさんいる。
いきなりだが、ボクは昔から漫画家を尊敬している。ストーリーを想像し、言葉と絵でメッセージを表現する途方もない作業と脳の構造。両方を成し遂げられる漫画家は、表現者のトップに君臨すると思っている。だがしかし、そこにスポンサーなどお金が関わる大人の世界が入ってくると、イメージや世論などが重要視されてしまう。仕方ないことと重々承知はしているが、言いたいことを言える表現の場所がどっかにあったっていいじゃない。いろんな規制が敷かれているが、漫画や映画だけは、いつまでも表現の自由の場であってほしいと心より願っている。
それでは次週をお楽しみください。
さよなら、さよなら、さよなら。