第二話 「小粋」「シャレ」のち「ファッション」

第二話 「小粋」「シャレ」のち
「ファッション」

『ファッション』
という言葉を聞いただけで、ワクワクする人もいれば、拒絶反応をおこす人もいることだろう。
歳を重ねるにつれて、『ファッション』に興味が薄れていくのはわかる気がする。



「ファッションってなんぞや!」

長年業界に携わってきたけど、『ファッション』の概念は、自分の中でどんどん変化してきた。

若いころは、とにかく流行を追いかけて、いち早く身につけ自己陶酔。
働き始めると、知識も増えて流行の仕組みもなんとなくわかってくる。
雑誌の編集長までどっぷり浸かると、もっと本質を知ろうと原点回帰。

そもそも『ファッション』ってなんぞや!というところにたどり着く。
格好つけるため? モテたいから? 自己表現? 知識が大事? なんなん?

ひとつわかったことは、『ファッション』=「流行」ではないということ。



「あの人しかいない!」

好きな俳優・著名人はたくさんいるけど、
「お洒落な人は?」と聞かれたら、ボクは真っ先に、故 藤村俊二さん(通称おひょいさん)をあげるだろう。言葉で表現するなら、『小粋』で『シャレ』が利いてて、とにかく魅力的な人。
着こなしも、もちろんお洒落で紳士的なのだが、必ずどこかにおひょいさんなりの遊びをいれていた。

この『小粋』で『シャレ』が利いてるということが、『ファッション』に大きく関与しているではないかと推察する。



「日常遊び。」

古くは、粋な着物の柄や帯、煙草入れなどの小物でお洒落を楽しむ。
西洋文化が入ってくるころには、着物にマント(トンビ)や中折れ帽などを合わせた装いで、ちょっと落語を聴きに演芸場へ。帰りに鮨をつまむのもよし、蕎麦屋でくだらない話をあてに酒を呑むのもいい。行き先が”遊郭”になろうものなら、それはキメていったことだろう。

こういった日常遊びの装いの延長に『ファッション』があり、ただただ楽しむためのモノだったはずだ。



「小粋でシャレ!」

これを着てるからお洒落で、流行を知らないからお洒落じゃない、なんてことはありえない。
逆にいうと、どんなに高いブランドモノを着ててもイマイチな人もいれば、なに着てても格好いい人もいる。

結局は、着る人がどんな人なのかということ。容姿が良ければいいという世代ではない。
『小粋』で『シャレ』が利いてる人は、人間的センスが培われているからなにをやっても洒落てしまうのだ!

この『小粋』で『シャレ』た内面を持つことが、GOB世代には重要で、これから必要なこと。
自分らしさの表現のひとつであり、より選択肢を広げてくれるのが、『ファッション』なのではないかと思う。




「まとめ。」

服作りにルールはあれど、『ファッション』にルールなんてないし、あったら本末転倒。
自分を知って、自分が楽しめば、それが『ファッション』になるんだから。

GOBにならんとする者よ! 
「あきらめないで~!」ってあのヒトもいってたし。

追伸
とはいえ、モノが溢れ、選ぶこと自体が難しくなってきている昨今。
GOBでは、名品、逸品、間違いないモノゴトを厳選して紹介していくので、『小粋』で『シャレ』た人になるために、役だててくださいまし。

ボクの話

道草次郎 物書き
執筆活動を中心に、ディレクションからモノづくりなどにも取り組むマルチプレーヤー。
本サイト内『じろうの道草』で、コラムも担当する。
素性は如何に。
ミスター・アウル
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