クリストフ・ショヴォー  / Christophe Chauveau
ボクのヒト
#023
『人生の最後の瞬間まで
"好奇心を持ち続ける"…』

クリストフ・ショヴォー /
Christophe Chauveau

Q. 年齢
58歳
Q. 職業
プロデューサー
Lutetia Films代表
Q. 必需品
『パラブーツの靴』
スニーカー派ではないんだ。オーダーメイドのパラブーツの靴は、高価であっても少なくとも15年は持つからね。昔はお金を貯めて買っていたっけ(笑)

どんな大人になりたい?

若い頃は、ずっと考古学者になりたいと思っていたんだ。
最終的に違う仕事についているけど、探求しながら夢を追い続ける姿勢は今も変わらないよ。

もし魔法が使えたらどうする?

そうだなぁ。。
この質問を例えるなら "神様は自分達に何をしてくれる?" と想像するくらい、とりとめのない空想になってしまうね。本質的なことで言うと 《紛争》で苦しむ人達を良い状況に導くこと…かな。
何かを "簡単に解決する" という発想ではなくて、 誰もが ”徳を積む" ことで物事が良い方向に進むのだと思う。

タイムスリップできるなら、どの時代へ、何をする?

僕は折衷主義というか...本や論文などをみて思索にふけてから "旅行" をするタイプだから、なかなか答えるのが難しい質問(苦笑)その時の自分の気持ちや時期によっても異なるだろうし、現在の状況を知ったうえで過去に行ったとしても、歴史を変えることはできないしね。
強いて言うなら、考古学者になりたかった好奇心から《ローマ帝国の末期》。ローマ時代崩壊、同時にキリスト教の起源...これはヨーロッパから見ると、現在の我々の時代に似ているかもしれないから興味あるよ。

あなたにとって女性ってどんな存在?

命を授かり育む喜びを知れるのは女性。
母親・恋人・妻・娘 、、彼女達なくして自分は存在してないからね。気丈でありながら強くある…男性にとって、かけがえのない存在。

最近、感動した出来事は?

逆境に直面したときに持つ本能、、
ウクライナの女性、男性、老人、子供たち… 全ての人に敬意を表します。
彼らの勇気は我々フランス人そしてヨーロッパの人々にとっての模範であり、更には日本人ほか多くの国の人にとっても同じであると信じてる。もしいま "小さな問題" に圧倒されたり落ち込んでいる若者達がいるとするなら、僕たちは物事を大局的に捉え考えていくべきではないだろうか?

休日の過ごし方?

休日の過ごし方を僕が決めることはあまりしないよ。
予定が立てられないのではなく、家庭内でその時に必要とする過ごし方をするのが良いからね。
実際はその場で決めて動く事も多いかな。

いまの悩みは?

悩む以前に ... どんなに困難な問題に直面しようと "悲しみ" に屈しないように心がけているよ。
ステファン・エシェールが唄うシャンソン《Déjeuner en paix(平和な昼食)》のように、、
世界の現実を悲しむ前に、そういうひと時を求めるのも必要だとおもってる。

自分の中の強みって何?

今ある知恵を生かしながら、人生の最後の瞬間まで "好奇心を持ち続ける" という気持ちかな。

好きな言葉は?

"Keep Calm and Carry On(冷静に、戦い続けよ)"
ウィンストン・チャーチル が第二次世界大戦の初期に、国民の士気を高める目的で作成した宣伝ポスターの言葉。『爆弾が降る中でも勇気と不屈の意思を秘め、紅茶を入れていた…』というイギリスの伝説的イメージを想い起こさせるフレーズは、力強くもあり勇気あるメッセージ。

好きな映画は?

ありすぎて、答えるのは非常に難しい...
たくさんの理由あって『ピアノ・レッスン(The Piano)』

あなたの一曲は?

一曲…!?これまた難しいな。
イタリアの作曲家・サヴェリオ・メルカダンテ の『サルヴェ・マリア(Salve Maria)』
とても感動的なミサ曲なんだよ。

100万円もらえたら何に使う?

ちょっとした旅。
キューバ、エルサレム、グルジアに行こうかな。

最後の晩餐に何食べる?

大西洋に面した海辺で魚介類の盛り合わせかロブスター?

あなたの誇れることはなに?

双子の娘『Nagisa』と『Sayo』。

あなたが思う、GOB(Good Old Boy)とは?

ユーモアに満ちた人生を楽しみ続けられる人。
人生はあっという間に過ぎていくのだから深刻になりすぎず…友人とワインを(笑)

編集後記

クリストフとの出会いは、筆者が関わる某雑誌の撮影クルーが泊まっているホテルでのこと。彼は夫婦で撮影コーディネート会社を経営していて、同じくTVロケのクルーのためにこのホテルを使っていた。お互いクライアントのため、常宿が同じだったという偶然から親近感!

美男美女の素敵なカップルで、憧れの夫婦像として一目惚れしたのは事実。
イケメンのクリストフは、ひとなつっこく話しかけてくる…。そんなことが何年かに渡って続き、いつの日かご夫婦には仕事でも私生活でもお世話になるようになった。

筆者は人生の先輩として大変慕っている。
考古学者になりたかったというのもすごくわかる。アパルトマンの棚に並ぶ蔵書の数は物凄く... 美術品・骨董品を愛し、何事にも好奇心・探究心をもって常にリサーチをしている印象。

それだけでなく、仏語のほか、英語・イタリア語・中国語に日本語・スペイン語など。。
語学にも長けているという事実も半端ない。インターナショナルなTVロケの際、彼の口からあらゆる言語が飛び出したのを思い出す。本当にカッコよかった!

好奇心旺盛で語学に長けているとなると〜生粋のおしゃべり(笑)
マシンガントークは止まずに、、その間にも愛犬(フレンチブルドックのワイビー)との格闘技...!?にも余念がないから忙しいったらない。

オフィスを構えようと古いアトリエを購入した後、コロナ禍に1年半かけて職人と共に内装を完成したばかりで大喜びの初公開。購入当時はボロボロで、地階には手榴弾やら得体のしれないものが転がっていたとか。ここ掘れワンワンと言わんばかりに、昔の石や窪みなどが現れ...本人は血が騒いだことだろう。

何事に対しても全力投球な彼は、どんな困難も全て好奇心の対象にしてしまうポジティブさがある。そこにエネルギッシュさが加わり、知的でいながら生命力旺盛なのだから…真のGood,Old-Boyではないかッ!
やはり憧れが隠せない筆者であった。。(苦笑)
ミスター・アウル イメージ

パリのヒト

撮影:吉田タイスケ
写真家、フランス在住。ライフスタイルを中心に、主にエディトリアル 分野で活動中。
犬猫と現代アートが好き。著書に吉田パンダ名義で「いぬパリ」 (CCC メディアハウス)。 長年住んだパリを離れ、三年前からノルマンディー地方で田舎暮らしを始めている。
趣味はキャンプとピアノ。愛車はフォルクスワーゲンT3ヴァナゴン1986。


編集:横島朋子
パリ在住ジャーナリスト&コーディネーター
ガイドブック、ファッション雑誌、タレント本、TVなど多岐に渡り活動。

Instagram
@tomokoyokoshima
@presse_parisienne
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ボクのヒト

																		  歳を重ねないと、出せない格好良さがある。
																		  シブさ、洒落っけ、奥深さ。
																		  まるで珈琲のようだけど、どう生きてきたかをあらわす無二の表情。
																		 『ボクのヒト』は、人生の物語りなのである!